ピラティスとは、ドイツのジョセフ・H・ピラティス氏によって、ヨガを参考にして開発されたリハビリ運動です。ヨガとピラティスが似たようなイメージで捉われているのには、こういった経緯があるからです。
ピラティスはお腹や肩甲骨周辺の筋肉など、身体の深層にある筋肉に意識を向けて働きかける動きを行います。それによって、普段の生活では使われずにいる筋肉を鍛えることができます。
このことが単にリハビリ運動になるだけでなく、姿勢が美しくなり、ボディーラインも美しくかわる効果を持っているということで、20年ほど前から広く一般に知られるようになりました。
このピラティスで行われるポーズを参考にして、日常にこの姿勢や動作を取り入れれば、自宅で手軽に姿勢を改善していくことができます。
それでは、日常的に取り入れられるピラティススタイルによる姿勢改善を実行していきましょう。
基本の美しい姿勢のとり方を習慣にしましょう
真っ直ぐに立ちます。
猫背の人は骨盤が前に出ているので、まず骨盤を後ろに引きます。頭のてっぺんから糸で真っ直ぐに引っ張られているイメージで、頭を身体に載せます。
お尻の上あたりにある尾てい骨は、踵の方に向けるイメージ。恥骨はおへそに向かって引き上げるイメージで、横から見た身体が一直線になるように保ちます。
お腹周辺のインナーマッスルを意識してこの姿勢を保つことで、最初はこの姿勢を保ち続けるのが辛かった人も、自然とこの姿勢をとれるようになっていきます。
正しい頭の位置で美しい姿勢をキープしましょう
立っていても座っていても構わないので、上半身を真っ直ぐにして正面を向きます。
頭は天井に向かって風船で吊り上げられているイメージで、真っ直ぐに身体に載せます。
後頭部の下の方、頭の丸みのカーブが終わった辺りを、後ろに向かって押し出すようにします。2、3回押し出すような動作を繰り返すと良いでしょう。
猫背の人は背中が丸まって肩も前に出てしまい、頭が前に倒れてあごだけ出た姿勢をとってしまいがちですが、この動作で得た姿勢を維持すると、自然と肩や背筋が真っ直ぐに整って、猫背を改善することができます。
背骨の真っ直ぐな美しい姿勢をキープしましょう
立った状態で、腕を上に上げて伸びをします。腹部の筋肉がしっかりと伸ばされるのを感じましょう。更にかかとを上げてもっとお腹の筋肉をしっかりと伸ばすイメージを持ちます。おへその位置が高くなったようなイメージを持つと良いでしょう。
お腹がしっかりと伸ばされ、おへその位置が高くなっているイメージのまま、かかとを下ろし、手も身体の横におろします。
常にこの状態を意識することで、常にお腹の筋肉が使われ、背骨を真っ直ぐに伸ばした美しい姿勢を保つことができます。
真っ直ぐに美しい脚姿で立つことを意識しましょう
脚を揃えて真っ直ぐに立ちます。
まず足の裏の内側部分に意識を寄せ、土踏まずに重心を集めて来て、体重を乗せるようにします。
そのまま今度はその意識を、脚の内側部分を通ってまっすぐ脚の付け根まで引き上げていきます。
恥骨をへそに向かって引き上げるイメージでお腹の筋肉を意識します。立っている時には、常に脚の内側に意識を寄せるようにし、同時に上に引き上げるように意識をすることで、美しい立ち姿と脚のラインを保つことができます。
簡単な動きを取り入れ、姿勢を矯正していきましょう
脚を腰幅に開いて立ちます。恥骨と尾てい骨が床と垂直な位置になり、尾てい骨から背骨が真っ直ぐに積みあがっていくイメージを持ち、頭は天井から引っ張られているイメージで真っ直ぐに立ちます。
鼻から大きく息を吸ったら、息を吐きながら前屈をしていきます。この際、まず最初に鼻先を下に向け、次に首の骨から一つずつ動かすようにして、ゆっくりと前屈をしていきます。前屈が辛くなってきたところで、膝を曲げてもかまいません。
再び大きく息を吸って、吐きながらゆっくりと身体を起こしていきます。この際、今度は背骨を一個ずつ積み上げていくイメージで行います。
簡単な動きを取り入れて、お腹から脚のラインを整えましょう
床に横向きに寝て、下側の脚はまっすぐに伸ばします。上にきた方の脚は、膝を天井に向けて立て、下の脚の前側に足を置きます。この時つま先は、身体の脚方向に向けましょう。
骨盤は床に垂直に立てます。身体が前や後ろに傾かないように気をつけましょう。
息を吸って、吐きながら下になった方の脚を上に浮かせて軽く上下に動かします。
身体が真っ直ぐになっていること、お腹を引き締めていること、お腹からうち腿へ一本でつながっている感覚を意識するようにします。
骨盤を正しい位置に戻す動きで、姿勢を改善しましょう
椅子に浅く座ります。足は腰幅に開いて、手で椅子の座面の両側を持ちます。
片方の脚を床から持ち上げ、息を吸ったのち吐き出しながら、かかとで前に押し出すようにして膝を伸ばしていきます。
息を吸いながら脚を戻して、床にはかかとをつけないまま、再び息を吐きながら前方にかかとで押し出すように脚を伸ばします。この動作を数回くりかえし、左右の脚それぞれで行います。
脚を前方に押し出す際、膝が内側に傾きがちですので、常に真っ直ぐに保つように気をつけましょう。
最近はスマホなどの普及で、猫背や姿勢の悪い人、首や背骨にトラブルを訴える人が増えてきています。
自分は猫背気味だなとか、姿勢が悪いなと感じていても、正しい姿勢のとり方は意外に分からないものです。そんなとき、どういうことを意識すれば正しい姿勢がとれるのか参考になるのがこちらに挙げた7つのポーズです。
正しい姿勢のとり方だけでなく、簡単な動きで身体の歪みを改善して美しい姿勢がとれるようになる方法もご紹介していますので、合わせて実践してみてください。今日からあなたも姿勢美人です。