突然の下痢や慢性の下痢、どちらにしても早く改善させたいですよね。下痢はウイルスや細菌などの原因になる物質を体内から排出しようと、水分を過剰に含んだ便が何度も排出される状態です。下痢になると大量の水分と共にカリウムやナトリウムなどが失われ、この状態が長く続くと脱水症状を引き起こしてしまいます。
脱水症状を起こさないためにも水分補給が必要になりますが、この時の水分は水やお茶などで行うより食事から補給する方が適しています。下痢の時の食事は胃腸に負担のかからない、できるだけ消化の良い食事を心がけましょう。
また体内に栄養が不足すると下痢が長続きしてしまうこともありますので、栄養がある食べ物を選ぶことも大切です。消化の良い食べ物とは消化吸収の妨げになる食物繊維が少なく、胃に残る時間が短く負担をかけないものです。
そこで今日は、胃に優しく消化に良い食べ物と、それらを使った下痢のときの食事のレシピを紹介します。ではご覧ください。
下痢の時の食事、
胃に優しく消化の良い食べ物とレシピ
梅干しのお粥で腸の調子を整えよう
下痢の時の食事には消化吸収の良いお粥がおすすめです。
下痢になるとエネルギーや体力や栄養不足になり、体力が落ちてしまいます。お粥は消化吸収が良いため、すぐにエネルギーに変わり胃もたれしません。
このお粥に強力な殺菌力がある梅を加えましょう。
梅干しの殺菌作用は、ウイルスや細菌による下痢に高い効果を発揮します。
この他にも整腸作用や解毒作用、疲労回復効果、胃酸の分泌量を調節するなどの作用もあるため、下痢の時に食事には欠かせない食べ物です。梅干し入りのお粥は体を温めて下痢によって不足した水分を補給し、殺菌作用や整腸作用によって下痢の症状を改善することができますが、水分が多いため良く噛まずに短時間で胃に流し込んでしまうと、いくら消化の良いお粥でも逆に胃に負担がかかってしまいます。
下痢の時の食事は胃に負担をかけないように良く噛んで、ゆっくり食べるようにしましょう。
かき玉あんかけうどんで体力を回復しよう
下痢の時の食事の定番と言えば、柔らかく煮込んだうどんを思い浮かべる人も多いでしょう。
うどんに含まれる主な栄養素は糖質ですが、お菓子などに含まれる糖質と違い、ゆっくりと燃焼されるので、低血糖状態を起こす心配もありません。
下痢になると体力を消耗してしまいますので、柔らかいうどんはベストな食べ物と言えます。
下痢の時には基本的には胃腸を休ませた方が良いですが、症状が改善してきたら消耗した体力を回復させるためにも、薄めのお出汁で柔らかく煮たうどんを少しずつ食べましょう。
さらにとろみをつけて卵を加えることで、栄養価を高めましょう。卵には必須アミノ酸がバランス良く含まれていて、ウイルスなどを撃退する免疫力を高めてくれますし、あんかけにすることで体が温まります。
ただし生の卵は消化に良くないため、下痢の時の食事の場合は必ず火を通して食べるようにしましょう。
はんぺんとニラの中華スープで栄養と水分を補給しよう
下痢の時の食事は失われた水分を補給するために、スープなどの汁ものがおすすめです。
下痢が長く続くと体力が低下しますので、低脂肪で高タンパクのはんぺんを使ってスープを作りましょう。新鮮な白身魚が主な原料のはんぺんは良質なたんぱく質を含み、低脂肪です。白身魚をすりつぶして作られているため、消化も良いので下痢のときの食事には最適です。
このはんぺんに胃腸の働きを整えるニラを加えましょう。ニラに含まれる成分には体を温める効果や滋養強壮の効果もありますので、下痢でお腹の調子が悪い時には最適です。
固形の中華スープの素で薄味のスープを作り、一口大に切ったはんぺん、食べやすい大きさに切ったニラを入れ、一煮立ちさせれば出来上がりです。一度にたくさん食べるのではなく、数かいにわけてゆっくり食べるようにしましょう。
たっぷり大根おろしを乗せた湯豆腐で消化を助けよう
下痢のときは消化する力が弱まっているため、消化酵素をしっかり摂るようにしましょう。
大根にはジアスターゼという消化酵素が多く含まれています。このジアスターゼには消化促進作用や腸内の異常発酵を予防する作用があるため、下痢の時の食事にオススメの食べ物です。
また食物繊維も含まれていますので、腸内環境を整える、体外への排出環境も整えてくれます。ただし大根に含まれる酵素は加熱してしまうと、酵素がこわれてしまうので、生の大根を食べるようにしましょう。
下痢の時の食事におすすめなのが、大根おろしをたっぷりと乗せた湯豆腐です。豆腐は良質なたんぱく質が含まれていて、消化吸収がよいので下痢の時の栄養補給には最適ですが、体を冷やしてしまうため、温めた湯豆腐が良いでしょう。
そこに消化酵素が多く含まれた大根おろしを乗せ、ポン酢やお醤油をかけて食べます。特に慢性の下痢をしている人は胃腸が冷えていますので、湯豆腐で体を温めてあげましょう。
ハチミツ入りすりおろしリンゴで腸の粘膜を守ろう
リンゴはカリウムと食物繊維のペクチンを豊富に含み、腸内を酸性にしてビフィズス菌をはじめとする善玉菌を繁殖させ、腸内環境を整えます。またこのペクチンは腸の粘膜を保護する働きや柔らかくなった便を固める効果もあるので、下痢に有効な食べ物と言えます。
ペクチンは皮に多く含まれますので、下痢の時には皮ごとすりおろして食べましょう。リンゴをそのまま食べても良いのですが、すりおろした方がペクチンが速やかに働き、リンゴの栄養素を吸収しやすくなります。
リンゴは酸味が少なく、子供でも食べやすい食品ですが、そこに殺菌作用や整腸作用のあるハチミツを加え、甘さを調節しましょう。ハチミツは消化吸収が良く、体に速やかに浸透し下痢の時に失われた体力を回復します。
ただしリンゴには体を冷やす作用もあるため、下痢の時には少しレンジなどで温めて食べると良いでしょう。
ジャガイモとタマネギのスープで下痢を改善しよう
下痢の時の食事には消化が良く、胃に優しいジャガイモもおすすめです。
ジャガイモにはビタミンCと水に溶けやすいペクチンが含まれているため、腸の粘膜を保護してくれます。下痢の時にはジャガイモにタマネギを加え、胃に優しく消化のいいスープがおすすめです。
タマネギを加熱調理すると解毒代謝が促進され、体内の有毒物質を排出しやすくします。タマネギの薬効成分は水に溶けやすいので、効率良く摂取するにはスープなどが最適です。
一口大に切ったジャガイモとタマネギをじっくり煮込み、固形スープと塩で味を整えます。味付けは薄めにしましょう。牛乳を加え、クリームスープにしても美味しいですが、下痢の時は牛乳に含まれる乳糖を吸収できず、消化不良を起こして下痢が悪化してしまうことがあります。
下痢の時の食事はジャガイモとタマネギだけのシンプルなスープにしておきましょう。
バナナヨーグルトで腸内環境を整えよう
ヨーグルトは腸内細菌を増やしてくれる乳酸菌やビフィズス菌を多く含んだ栄養食品です。
腸内環境を改善し、下痢を予防してくれる効果があります。ヨーグルトをそのまま食べても効果はありますが、下痢に効果のあるバナナを一緒に食べるようにしましょう。バナナは消化がよく、水に溶けやすい食物繊維であるペクチンを豊富に含んでいるため、下痢の改善に役立ちます。
できるだけ熟した柔らかいバナナを選ぶようにしましょう。食べやすい大きさにカットしたバナナとヨーグルトを和え、甘さが足りないようでしたら、ハチ
ミツを加えます。バナナヨーグルトは食べやすいので、下痢の時だけではなく、風邪などで食欲がない時もおすすめです。
ただし、人によっては下痢の時にヨーグルトを食べると症状が悪化してしまうこともあります。普段から牛乳やヨーグルトを食べるとお腹がゆるくなる人は、避けるようにしましょう。
いかがでしょう、下痢の時の食事は消化がよく、栄養があるものがおすすめです。
紹介したレシピは消化がよく胃に優しく、さらに下痢の症状を改善する食べ物もあります。消耗した体力や失われた水分をしっかり補給し、下痢を改善していきましょう。下痢の時はできるだけ、胃や腸を冷やさないようにすることが大切です。
飲み物も冷たいものは避け、温かいお茶や白湯にしておきましょう。また下痢の症状が治まってきても、急に普段の食事に戻すと胃や腸に負担がかかり、下痢がぶり返してしまうことがあります。ゆっくりと通常の食事に戻していくように心がけましょう。
下痢の原因は様々です。食べ物に付着した細菌やウイルスの場合は、体内から全て排出されると症状は緩和しますが、最近ではストレスによる下痢に悩まされている人も多いようです。
このような場合も、脂っこい食事や刺激の強い食事、添加物の多い食事などを避け、胃や腸に優しい消化の良いものを食べるように心がけましょう。
普段の食生活を見直し、下痢に悩まされない生活習慣を身につけましょう。
まとめ
下痢の時の食事、胃に優しく消化の良い食べ物
・梅干しのお粥で腸の調子を整えよう
・かき玉あんかけうどんで体力を回復しよう
・はんぺんとニラの中華スープで栄養と水分を補給しよう
・たっぷり大根おろしを乗せた湯豆腐で消化を助けよう
・ハチミツ入りすりおろしリンゴで腸の粘膜を守ろう
・ジャガイモとタマネギのスープで下痢を改善しよう
・バナナヨーグルトで腸内環境を整えよう