血圧とは心臓から送り出された血液が、血管の内壁を押す力のことで、血圧の平均値とは健康の目安の数字です。
高血圧の場合、通常より高い圧力が血管にかかり続けることになり、血管の内壁が荒れて分厚くなってしまい、血管の柔軟性が失われます。一般的には高血圧は様々な病気を招く原因として危険視されていますが、低血圧も倦怠感やめまいなどの症状を引き起こすことがあります。
血圧の平均値を超えることで様々な病気のリスクが高まることはよく知られていて、高血圧の人の心臓病発症リスクは3倍、腎臓がんは2倍、糖尿病は3倍など、血圧の平均値を保つことがどんなに大切かおわかり頂けるでしょう。さらに年齢を重ねることで血圧は高めになり、様々な病気のリスクも高まってきます。
血圧は日頃の生活習慣を見直すことで、平均値を保つことが可能です。病気ではないとされる低血圧の辛い症状も、生活習慣を見直すことで改善されます。
それでは血圧を平均値に保つために、生活習慣で見直すポイントをお伝えして行きましょう。
血圧を平均値に保つために、
生活習慣で見直すポイントとは
塩分の多い食事が続いていませんか
食事は人間の体を作ったり、活動するためのエネルギーとして重要ですが、偏った食事は様々なトラブルを引き起こします。
血圧を平均値に保つためには、食事の塩分には気を付ける必要があります。塩分を過剰摂取すると血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増えるため、結果的に体内を流れる血液量が増えます。このため末梢血管の壁に抵抗が高まるため、血圧が上昇すると言われています。
1日の目標塩分摂取量は成人男性で10g、成人女性で8gとされていますが、日本人の平均摂取量は11g〜12gと多めになっています。現在血圧が高くないからと、塩分過多の食事を続けていくと高血圧になる可能性が出てきます。
できるだけ塩分を控えた食事を心がけるようにしましょう。
塩分を控えてもしっかり出汁を効かせたり、スパイスやハーブを使えば満足する料理は作れます。将来、高血圧にならないためにも若いうちから塩分濃度には十分気をつけましょう。
適度な運動を心がけていますか
血圧を平均値に保つためには、適度な運動は欠かせません。
人間は立っていると重力の作用によって下半身に血液が溜まり、これを放っておくと心臓に戻ってくる血液が激減して低血圧を引き起こします。下半身に溜まった血液は筋肉が収縮する力で心臓に戻されるため、低血圧の人には下半身の筋力アップが必要になります。
また適度な運動は心臓や肺の機能を向上させ、血液の循環を促進します。継続的に運動を行うことで体の各機能が鍛えられて行くため、血圧に良い影響を及ぼします。
特に高血圧の人はジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を行うことで、血圧が下がると言われています。ジョギングやウォーキングは下半身の筋力もアップさせることができますので、血圧を平均値に保つためには有効な運動です。
1日30分以上の有酸素運動をできれば毎日続けるようにしましょう。
適正体重は維持できていますか
血圧を平均値に保つためには、適正体重の維持が大切になります。
肥満は高血圧と深い関わりがあり、特に皮下脂肪より、内蔵に脂肪がつく内蔵肥満が重要です。肥満は高血圧だけではなく、様々な生活習慣病を引き起こす原因と成増ので、食事や運動などで適正体重を維持することが必要です。
適正体重は体脂肪のつき方が健康を保ちやすい状態のことを示し、その基準を簡単に割り出せるのがBMIです。BMIは体重kg÷(身長m×身長m)で算出され、日本人の場合は18.5以上25.0未満が普通体重とされています。
肥満をともない高血圧の人は減量をすると、実際に血圧が下がるという報告があります。血圧が平均値でも肥満の疑いがある人は、高血圧の予防のためにも減量するように心がけましょう。
アルコールの摂取量に気をつけていますか
適量のアルコール摂取はストレスを解消したり、人間関係を円滑にしたりと良い面もありますが、あくまでも適量のアルコールを適正に飲んでいる場合です。
通常、アルコールを摂取すると一時期ですが、血圧が下がり脈拍が増えます。これはアルコールの代謝に関係する酵素が酸化され、生じたアセトアルデヒドが血液中に増え血管を拡張するからです。
このように一時的には血圧が下がりますが、長い間飲み続けたり、1日の飲酒量が多いほど血圧が上がり、高血圧の原因になるとされています。アルコールで血圧が上がる理由は血管の収縮反応が高まるほか、心臓の拍数を高める交感神経の活動、腎臓からマグネシウムやカルシウムが失われるためと考えられています。
またアルコールと一緒に摂取するおつまみのカロリーや塩分で、肥満になることも原因のひとつとされています。週に2〜3日は休肝日をつくり、飲酒量を適量にすることで血圧を平均値に保つことができます。
ストレスはたまっていませんか
適度なストレスは人間が成長するためには必要ですが、強すぎるストレスや長く続くストレスは血圧に変化が現れます。
ストレスとな関係にあるのが自律神経です。自律神経には日中活動している時に働く交感神経と、睡眠中などリラックスしている時に働く副交感神経があり、血圧に関係しているのが交感神経です。
交感神経は日中活動している時だけではなく、緊張したりストレスを感じると働きます。ストレスにより副交感神経が働くと血管が収縮し、血小板の活動が増えることで血液の粘着性が高まり、血圧が上昇します。
また交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、血圧が低下してしまうこともあります。趣味や友人と食事にいくなど上手にストレスを解消し、血圧の平均値を保つように心がけましょう。
野菜や果物を積極的に食べていますか
野菜や果物はカロリーが比較的カロリーが低く、ビタミンやカリウム・マグネシウムなどミネラルが豊富に含まれていますので、血圧を平均値に保つためには欠かせない食材です。
野菜や果物には動脈硬化予防に効果のある抗酸化作用のある成分や、皮膚や血管の老化を防ぐ働きのあるビタミンC、便秘を予防して血圧を安定させる食物繊維など、健康を維持するための栄養素が豊富です。
特に高血圧の人は血圧の上昇の原因となるナトリウムを排出する働きのあるカリウムを含む野菜や果物を積極的に摂取することがおすすめです。現代人の食生活では野菜や果物が不足しがちと言われています。
様々な野菜や果物をバランス良く食べることで、それぞれがもつ機能成分を効率良く摂取することができますので、できるだけ多くの種類の野菜や果物を食事に取り入れるようにしましょう。
入浴をシャワーだけで済ませていませんか
最近は忙しいからと湯船につからず、シャワーだけで済ませてしまう人が増えています。
入浴は血管を広げ、血行をよくすることができますので、血圧を平均値に保つためには有効です。また疲労回復やストレス解消にも効果的です。
特に低血圧の人は体が冷えやすいので、湯船につかってしっかりと体を温めることが大切です。入浴の際に気をつけたいのは、お湯の温度と入浴の時間です。40℃くらいのぬるめのお湯で、長時間入ることは避けましょう。
ゆっくりとはいりたい場合は、半身浴がおすすめです。
高血圧で心臓に疾患がある人は、冬場は浴室や脱衣所を温めるなどの工夫も必要です。また発汗などで体の水分が不足し血液の濃度が増してしまうため、血圧を平均値に保つためには入浴前と後にはしっかり水分補給をするようにしましょう。
いかがでしょうか。
このように血圧を平均値に保つためには、生活習慣全般を見直すことが大切になってきます。これまでの生活習慣を変更するのはなかなか難しいですが、病気のリスクを減らすためにも少しずつ改善していきましょう。
そのためにはまず、自分の血圧をしっかりと把握することが重要です。最近では自宅で手軽に血圧が計測できる血圧計も多く販売されていますので、毎日計測し、記録をするようにしましょう。自分の血圧の変化を把握しておくことが、病気のリスクを軽減します。
すでに高血圧と診断されている場合は、これらの生活習慣の見直しである程度の改善が見られるとされていますが、紹介したなかには高血圧の治療に適していないものがある可能性があります。
高血圧の治療を受けている場合は、医師に相談して生活習慣を改善するようにしましょう。
まとめ
血圧を平均値に保つために、生活習慣で見直すポイントとは
・塩分の多い食事が続いていませんか
・適度な運動を心がけていますか
・適正体重は維持できていますか
・アルコールの摂取量に気をつけていますか
・ストレスはたまっていませんか
・野菜や果物を積極的に食べていますか
・入浴をシャワーだけで済ませていませんか