アルギニンは活力成分としてエナジードリンクに利用されたり、ダイエットサプリやアスリート向けのサプリ、アンチエイジングサプリなど様々なサプリメントの成分として利用されています。
アルギニンとはアミノ酸の一種で、体内で生成することができるため、非必須アミノ酸に分類されますが、成長期や乳幼児は体内で分泌量が不十分なため「準必須アミノ酸」とも扱われ、加齢によっても十分に分泌されなくなってきます。
アルギニンは成長ホルモンの分泌に大きく関わるアミノ酸で、意識的に摂取することは代謝力の向上や免疫強化など様々な効果が期待できるとされています。
なかでも疲労回復に効果があり、特にエネルギー不足による身体的疲労、認知力低下による脳疲労、不安や抑うつといった精神疲労に効果があります。これは彼によって減少してしまう一酸化窒素をアルギニンが増やし、一酸化窒素が増加することで様々な疲労回復効果が現れるからです。
このようなアルギニンは疲労回復に有効な成分ですが、その効果を実感するには摂取方法に気をつける必要があります。それではアルギニンの効果的な摂取方法をお伝えしていきましょう。
アルギニンの疲労回復効果を実感できる
賢い摂取法
1日に2000〜4000mg以上の摂取を心がけよう
アルギニンはアミノ酸ですので、アミノ酸が多く集まっているたんぱく質に多く含まれています。基本的に肉類や大豆類の食品に多く含まれていますが、なかでも100gあたりのアルギニンの含有量がもっとも多いのが豚のゼラチンで8000mgも含まれています。
アルギニンが効果的に働くには1日2000〜4000mg以上の摂取が必要になりますので、豚のゼラチンは簡単に必要なアルギニンを摂取することができます。ただし肉類ばかりからアルギニンを摂取しようとするとカロリーオーバーになってしまうため、気をつける必要があります。
大豆類のなかでは高野豆腐が100gあたり4200mgと一番含有量が多いですが、これは乾燥している状態ですので、調理をして食べるとなると大変な量になってしまいます。他には味噌や納豆にも多く含まれますが、これらですと他の成分の過剰摂取になってしまうことがありますので、足りない分のアルギニンはサプリメントで摂取することが好ましいとされています。
サプリメントを上手に利用しよう
食品からだけでアルギニンを摂取しようとすると難しいものがあるため、サプリメントでの摂取がおすすめですが、サプリメントの選び方に注意が必要になります。アルギニンは強いアルカリ性のであるため、アルギニンそのままを製品にしたものは食道や胃に炎症や潰瘍を生じ、消化管障害を引き起こすことがあります。
アルギニングルタミン酸塩を使用しているサプリメントも、摂取量が多いと悪寒や頭重感、頭痛、めまい、手足のしびれなどを引き起こすこと可能性もあります。またアルギニンを塩酸で中和したサプリメントは長期にわたって摂取することで、血管が酸性に傾き、軽症の場合で倦怠感や悪心、嘔吐などがみられ、悪化すると意識障害や昏睡などの症状が現れることがあります。
そのためアルギニンのサプリメントを選ぶ際には、クエン酸など安全な有機酸で中和したものを選ぶことが疲労回復の効果を実感するためには大切です。
就寝前に摂取しよう
アルギニンが疲労回復に効果がある理由は成長ホルモンの分泌の促進にあると言われています。
この成長ホルモンが一番分泌するのが就寝中です。人間の体は交感神経と副交感神経の二つの自律神経によって支えられていて、交感神経は活動する時に優位になり、副交感神経は夜間や就寝時に優位になります。
成長ホルモンは副交感神経が優位な時に分泌されるため、アルギニンを就寝前に摂取することでさらに成長ホルモンの分泌を活発にし、疲労回復の効果を実感することができます。また運動時にアルギニンを摂取すると成長ホルモンの分泌量が低下させるという研究結果もあり、疲労回復のためには平穏時が好ましいとされています。
ただし就寝前に食事をとると睡眠の室を低下させてしまうため、就寝前にアルギニンを摂取する場合はサプリメントで摂取するようにしましょう。
他のアミノ酸とバランス良く摂取しよう
アルギニンに限らず、アミノ酸は単体で働くよりもいくつかの種類が集まってチームワークでより効果的に働く栄養素です。疲労回復の効果をより実感したい場合は、アルギニン単体のみを摂取するのではなく、バランス良く摂取することが重要になってきます。
成長ホルモンはアルギニンの他にもオルニチンやトリプトファン、グリシン、チロシンなどのアミノ酸にも合成作用があり、これらを一緒に摂るほうがより効果的とされています。サプリメントにはアミノ酸に含有量が表示されていますので、きちんと確認し、他のアミノ酸もバランス良く含まれたものを選ぶようにしましょう。
過剰摂取には気をつけよう
疲労回復の効果を期待するためにアルギニンを摂取することは有効ですが、その摂取量には注意が必要になります。アルギニンの過剰摂取による副作用は少ないとされていますが、食品から摂取する場合はカロリーオーバーに注意しなくてはなりません。
アルギニンはたんぱく質に多く含まれるため、過剰に摂取してしまうとカロリーオーバーだけではなく、胃腸や肝臓などに負担がかかってしまうこともあります。通常の食事ではアルギニンの過剰摂取の心配はありませんが、サプリメントでの過剰摂取は副作用の心配があります。
毎日5g以上のアルギニンを単体で摂取すると、副作用として下痢の症状が現れることがあります。また肝機能や人機能が低下している人が大量にアルギニンを摂取すると、生命の危機にさらされる可能性も報告されています。
サプリメントからアルギニンを摂取する場合は、パッケージに記されている容量用法を正しく守り、過剰摂取にならないように心がけましょう。
リジンと一緒に摂取することがおすすめ
アルギニンの効果は成長ホルモンの分泌を活発にさせるだけではなく、体内の余分なアンモニアを除去する作用もあります。アンモニアは疲労管の原因になりますので、激しい運動やスポーツ後のアルギニンの摂取は疲労回復に効果が期待できるのです。
その疲労回復効果をさらに実感するには、必須アミノ酸のひとつであるリジンと一緒に摂取することがおすすめです。リジンは肉類などの動物性たんぱく質に多く含まれ、体の組織を修復しセ長に関わる働きをします。たんぱく質の吸収を促進させ、ブドウ糖の代謝をよくするため、疲労回復に効果があります。
リジンはアルギニンと違い、体内で合成することができないので、食品やサプリメントで摂取する必要があります。疲労回復効果を実感するためにアルギニンのサプリメントを選ぶ際は、このリジンが含まれるものを選ぶようにしてみましょう。
毎日欠かさず摂取しよう
アルギニンの疲労回復効果は、摂取したからといってすぐに効果が現れるわけではありません。摂取して数日で効果が現れる場合もありますが、通常は徐々に現れてきます。半年から1年くらいは様子みながら、摂取するようにしましょう。
また効果が出たからといってやめてしまうと、以前の状態に戻ってしまいます。アルギニンは毎日欠かさず摂取することが、疲労回復効果を得るのに大変重要です。適切な量を毎日欠かさず摂取するように心がけましょう。
いかがでしたでしょうか。アルギニンは肉類やナッツ、大豆製品などに多く含まれますが、普段の食生活からでは不足しがちな栄養素です。
疲労回復効果だけではなく、美容と健康に様々な効果が期待できるので、毎日少しずつでも摂取するように心がけましょう。特にアルギニンの美肌効果は注目されています。
アルギニンは成長ホルモンを増やすとともに、コラーゲンの生成にも関わりがあり、コラーゲン量をしっかり保つことでしわやたるみを防ぎ、肌の弾力を与えることができます。また血管の老化を防止する効果もありますので、血流量を増やし、肌の血色をよくしてくれます。
アミノ酸のなかでもこのような効果があるのはアルギニンだけですので、疲労回復しながら、美肌を作っていきましょう。
まとめ
アルギニンの疲労回復効果を実感できる賢い摂取法
・1日に2000〜4000mg以上の摂取を心がけよう
・サプリメントを上手に利用しよう
・就寝前に摂取しよう
・他のアミノ酸とバランス良く摂取しよう
・過剰摂取には気をつけよう
・リジンと一緒に摂取することがおすすめ
・毎日欠かさず摂取しよう