デスクワークが中心の人や猫背などで姿勢が悪い人は、肩こりに悩まされていることが多いですよね。このような人は背中側の骨盤から腕の付け根まで伸びている広背筋が縮んで硬くなっています。
この広背筋が硬くなってしまうと腰がそって胸が丸くなり、肩こりや腰痛を起こしやすくなってしまい、さらに猫背など姿勢が悪くなってしまうのです。
さらに姿勢が歪むことで大胸筋が縮み、バストが下がったり、背中にぜい肉がつきやすくなったりします。マッサージをすると肩こりや歪みは解消することができますが、自分で背中をマッサージすることは困難です。
とはいえ自分で肩こりや歪みを治すには、実は背中ストレッチが有効です。そこで今日は仕事や家事の合間に簡単にできる背中ストレッチの方法をお伝えします。
背中と腕を伸ばすストレッチしよう
長時間デスクワークなどで同じ姿勢を続けると筋肉の緊張が長く続き、皮膚と筋肉が圧迫され血行が悪くなることから、肩こりや腰痛が起こります。背中ストレッチを行うことで筋肉の緊張を和らげ、肩こりや歪みを解消することができます。
仕事の休憩時間に手軽にできる背中ストレッチは、両腕を後に回して組みます。
組んだ腕をゆっくり上に引き上げていきます。
余裕があれば量足を肩幅に開き、上体を倒しながら行うとより腕が上がりやすくなります。
この背中ストレッチは背中の筋肉だけではなく、肩や腕の筋肉も伸ばすことができますので、肩こり解消にはおすすめです。ゆっくりと呼吸しながら、気持ちよく感じる高さまで腕を引き上げていきましょう。
脇腹もストレッチしよう
肩こりを解消させるために肩や背中のストレッチばかり行っても効果はありません。特に脇腹にある前鋸筋は腕を前にだす時に使われる筋肉ですので、パソコンのキーボードをたたく時には必ず使う筋肉です。
特に高さの合わないイスを使っていたり、悪い姿勢でキーボードをたたいているとこの筋肉が緊張しますので、背中ストレッチと共に脇腹のストレッチも行いましょう。
両腕をまっすぐ上に伸ばして両手を組み、息を吐きながらゆっくりと上半身を横に倒します。
片方の手で逆の手の手首をつかんで軽く引っ張るようにするとやりやすいでしょう。
息を吸いながら上体をもとに戻し、反対側も行います。
椅子に座ったままできるストレッチですので、背中ストレッチと合わせて行いましょう。
肩甲骨をほぐそう
肩こりや歪みに限らず、上半身が凝り固まっている時には背中ストレッチのなかでも肩甲骨のストレッチも有効です。特に車の運転の多い人は肩甲骨が凝っていますので、ここに重点を置いてストレッチを行うと良いでしょう。
①右腕を90度の角度に垂直に曲げ、右腕を固定したまま左腕を右ひじ飲ましたに合わせます。
②右腕を固定したまま、右ひじを軸にするようなイメージで左腕を立てていきます。
③左手の指先を右の手のひらの下に合わせ、ぐっと肩甲骨を開くようにキープします。
体が固くて腕が組めない人は、ひじとひじを合わせるだけでも十分ストレッ効果がありますが、ゆっくりほぐしていくうちに腕が組めるようになります。肩甲骨が開いているのを感じながら、ゆっくり伸ばしていきましょう。
背骨の歪みを矯正しよう
デスクワークでついつい背中を丸めて仕事をしてしまうことがありますが、このような姿勢は背骨が歪み、肩こりや腰痛を引き起こしてしまいます。また背骨の歪みは体全体のバランスが崩れ、様々なトラブルを引き起こしますので、背骨の歪みの矯正も背中ストレッチに加えていきましょう。
①仰向けになり、両膝を胸の前で抱え、そのまま右に横になります。
②膝から手を離し、両手を横に広げます。
③左肩、お腹、背中の力を徐々に抜き、ひねりを感じながらキープします。
④元の体勢に戻って、逆の方向も同じように行います。
⑤数回繰り返した後は、足を伸ばしリラックスして終了です。
最初のうちはあまり捻ることができないかもしれませんが、ゆっくりと繰り返し行うことでしっかり背中を捻ることができるようになります。ゆっくり呼吸しながら、無理のない範囲で行っていきましょう。
肩こりや猫背を解消する広背筋のストレッチをしよう
背中側から脇腹にある広背筋が凝ると肋骨が歪み、背中の痛みや肩こり、慢性の腰痛などになりやすくなってしまいます。しっかりストレッチを行って、筋肉の緊張をほぐしておきましょう。
①まず四つん這いになり、両ひじを床に付けます。
②背中を落とさないようにそのまま後に体重をかけ、ひじが離れそうなところで30〜60秒キープします。
③これを3〜4セット行います。
体が固い人にはつらい体勢になりますが、無理のない範囲で行いましょう。この背中ストレッチは猫背の解消にも役立ちます。広背筋をほぐして、体の歪みを整えましょう。
お腹も同時に行う背中ストレッチ
同じ姿勢を続けていると筋肉が固くこわばり、固くなった筋肉は毛管を圧迫して血行が悪くなります。これが肩こりや腰痛の原因のひとつです。気付かないうちに血行が悪くなっている箇所がお腹です。
お腹には立っているだけでも緊張している筋肉があるため、血流が悪くなりやすいのです。お腹も同時に伸ばすことができる背中ストレッチで、お腹の血行を促進し、筋肉をほぐしておきましょう。
①うつ伏せになって胸の横あたりに手をおきます。
②両手で床を押すようにゆっくり腕を伸ばし、上体を起こします。
③背中を反らしたまま、その姿勢を30秒キープします。
④お腹と背中が伸びているのをしっかり確認し、元の上体に戻ります。
⑤これを3セット行います。
この背中ストレッチのポイントは骨盤を床に付け、腰が浮き上がらないようにすることです。腕を伸ばすのがつらい人は、ひじをついた状態で行ってみましょう。
壁を使って背中ストレッチしよう
背中や肩甲骨の周りには体のなかでも大きな筋肉があり、背中ストレッチを行うことで背中の筋肉がほぐれ、たるみのないきれいな背中を作ることができます。背中と肩甲骨が一緒に伸ばせるストレッチは、壁を使ったストレッチです。
①両足を肩幅に広げ、壁に両手をつけます。
②お尻を後に突き出し、頭を両腕の間に入れて下をみながら肩から背中を沈めていきます。
③この時、壁からなるべく離れて壁に寄りかかるようにすると背中が伸ばしやすくなります。
またこの姿勢を維持するのが難しい場合は、足を肩幅より広く広げるようにしましょう。薄着になる季節になる前に、背中ストレッチでたるみのないすっきりした背中を作っていきましょう。
さて、背中ストレッチは肩こりや歪みを解消するだけではなく、たるみのないすっきりとした背中を作ることもできます。なので毎日少しずつ継続して行うようにしていきましょう。
背中ストレッチは体に痛みを感じるほど行うのは逆効果です。不快な痛みを感じない、心地よいと感じる範囲で行うようにしましょう。また筋肉は息を吐く時にほぐれます。筋肉を伸ばす時に息を吐き、戻す時に吸うことを頭に入れて、深呼吸をしながら行いましょう。
デスクワークが多い人は背中の筋肉が緊張し、凝り固まりやすくなっています。できれば1時間おきに、座ったままでもできる背中ストレッチを取り入れて、体をほぐしておきましょう。
ストレッチを行っても解消されない背中の痛みや肩こりは、内蔵疾患が原因の場合もあります。痛みが続いたり、背中の痛みや肩こり以外にも不快な症状がある場合は早めに医療機関で診察を受けるようにしましょう。