上腕二頭筋は腕を曲げた時に良く浮き出る筋肉で、通常力こぶとも呼ばれています。
鍛え上げた上腕二頭筋は男性の力強いイメージを作り出し、ボディビルのポーズでもよく見られますよね。上腕二頭筋の役割は大きく腕を振り下ろす動作や、投げる動作をする時に重要な筋肉で、筋肉の構造が体の外側に近い長頭と体の内側に近い短頭の大きく2つに分類できます。
ひじを曲げる時に腕を体の後ろにひいた姿勢をとると長頭に負荷がかかりやすく、逆に腕を体の前方に出していると短頭に負荷がかかりやすくなります。
上腕二頭筋の筋トレ方法は基本的にダンベルやゴム製のチューブを使用して行い、道具を使わない筋トレでは集中的に鍛えることは難しいとされています。ですが、道具を用意するのが面倒と考える人もいるでしょう。
上腕二頭筋の筋トレは特別な道具を使わなくても、どこの家庭にもあるものを代用して行うことができます。
それではダンベルなど特別な道具を使わず、簡単にできる上腕二頭筋の筋トレ方法をお伝えしていきましょう。
アイソメトリックで上腕二頭筋を鍛えよう
通常の筋トレはダンベルなどを持ち上げるなど動的な方法に対し、アイソメトリックは静的な筋トレと言われています。
筋トレは筋肉に力を入れ、一時的に血流を滞らせることで筋肉を疲労させます。その後の筋肉疲労の回復により筋繊維が太くなることで、筋肉を発達させていきます。
アイソメトリックはこの原理を応用して、筋トレを行います。
上腕二頭筋を鍛えるには右手の手首を左手でしっかりと持ち、右腕を上方向に持ち上げるようし、左手で下に押さえつけるように相反する方向へ力を加えます。
力を加えた状態でしばらくキープし、力を緩めます。
これを数回、左腕も行います。
この方法は道具が何もいらないので、どこでも手軽に行うことができます。
ダンベルのかわりにペットボトルを使って筋トレしよう
上腕二頭筋の筋トレは基本的にダンベルを使って行いますが、ダンベルの重さを選ぶのを悩んでしまう人もいると思います。特に女性の場合はあまり負荷をかけすぎると必要以上に太くなってしまうこともあります。
ペットボトルなら中に入れる水の量を加減することで負荷を加減できますので、手軽に筋トレを行うことができます。
自分にあった重さにしたペットボトルを2つ用意し、手のひらを前に向けた状態でペットボトルを持ちます。
ひじをしっかりと固定し、ゆっくりと胸のあたりまでペットボトルを持ち上げ、ゆっくりと下げます。これを右左交互に行います。
ゆっくりと呼吸しながら、ひじを後ろに引かないように気をつけて行いましょう。
イスを使って筋トレをしよう
上腕二頭筋の筋トレを手軽に行う時に、イスをダンベル代わりに使うこともおすすめです。
イスの背もたれを逆手でしっかりと持ち、上腕二頭筋がしっかり収縮することを意識しながら顎の高さまで持ち上げます。
ゆっくりと元の位置に戻し、これを数回繰り返します。
ポイントはひじの位置を動かさないことと、持ち上げると同時に手のひらを上に向け、上腕二頭筋が収縮していることをしっかり意識することです。
ひじの位置を大きく動かしてしまうと上腕二頭筋ではなく、肩などに負荷が分散してしまいます。ひじの位置を確かめながらゆっくりと行いましょう。
イスを使った筋トレはイスにも負荷がかかってしまうこともありますので、十分注意して行うようにしましょう。
腕立て伏せで大胸筋と一緒に鍛えよう
腕立て伏せは効率良く上半身の筋肉を鍛えることができます。
上腕二頭筋を集中的に鍛える場合は、電話帳などを使って段差を作り筋トレを行います。
両手の間隔を肩幅より広めにして、片手を電話帳などの上に乗せ毛片方は床に付きます。
足を伸ばし、ゆっくりとひじを曲げて上体を下ろしていきます。
ゆっくりと行きを吐きながら、ひじを伸ばして上体を持ち上げます。
段差を反対の手にして、同じように行います。
この腕立て伏せをする時は、肩の位置が水平になっているように注意して行うことが大切です。
腕立てふせは大胸筋も一緒に鍛えることができ、結果が出やすい筋トレですので、上腕二頭筋を鍛えたい場合は必ず取り入れるようにしましょう。
買い物袋で筋トレをしよう
上腕二頭筋を鍛えたくても、仕事や家事などで忙しく筋トレを行う時間がないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
筋トレはジムなどで特別な器具を使わなくても、ちょっとした空き時間を利用して手軽に行うこともできます。仕事帰りや休みの日に買い物をすると思いますが、その帰りに買い物袋を利用して筋トレを行うこともできます。
手のひらを体に向けた状態でスーパーなどのビニール袋を持ち、ひじから先だけを使いゆっくりと息を吸いながら持ち上げていきます。
下ろすときは息を吐きながらゆっくりと下ろしていきます。
買い物袋の代わりに仕事用や通勤用のカバンを使ってもできるので、気付いた時いつでも行うことができます。
このように日常生活に筋トレを取り入れることで、継続して筋トレを行うことができるでしょう。
ベッドを使ってリバースプッシュアップを行おう
道具を使わない上腕二頭筋の筋トレ方法の中で、最も効果が高いのがリバースプッシュアップです。
腰を浮かした状態でベッドに腕を伸ばした状態で両手を付き、膝を90℃に曲げます。
息を吸いながらゆっくり腰をまっすぐ真下に落とし、ひと呼吸おいてから元に戻ります。
これを数回繰り返しますが、腰を落とそうと意識しすぎると肩に力が入ってしまい、上腕二頭筋に効果が出なくなってしまいます。上腕二頭筋の筋肉を意識しながら、ひじを後ろに引くように腰を落としていくようにしましょう。
慣れてきたら足の位置を前に出して、負荷を加えていきましょう。ベッド以外にも机やイスで応用できますが、強い力が加わりますので、丈夫で動きにくいものを使うようにしましょう。
しっかりストレッチを行って筋肉を休めよう
筋トレを行うと筋肉の繊維が破壊され、痛みが生じます。
この痛みは筋肉痛を呼ばれ、筋トレがしっかりと行われたサインであり、ここから休息によって筋肉が強くなっていく合図ですが、できれば痛みは少ない方が良いと思います。
筋肉痛を抑えるには、筋トレ後のストレッチを行いましょう。
筋肉痛を抑えるには、疲労物質である乳酸が溜まらないように血流を促進させることが大切です。しっかりストレッチをして筋肉をほぐし、乳酸が一箇所に溜まらないように防ぎましょう。
上腕二頭筋の筋トレを行った後のストレッチ方法は、指先を膝の方に向けて四つんばいになり、腕の伸びを感じながらお尻を後ろの方に引いていきます。
ゆっくりと呼吸しながら、緊張した筋肉をほぐしていきましょう。
このように上腕二頭筋はジムなどに通わなくても、自宅にあるもので手軽に筋トレをすることができます。
上腕二頭筋だけではなく体全体に筋肉を付けることで、見た目をすっきりみせたり、肥満や生活習慣病の予防・改善にもなり健康的な体を作ることができます。
忙しくて時間がないと諦める前に、紹介した方法で手軽に筋トレを続けてみましょう。ただし筋肉は筋トレの後の休息中にパワーアップします。筋トレを行ってから疲れがとれ、回復し筋肉が成長するのにだいたい48時間ほどかかると言われています。
そのため毎日筋トレを行うと、破壊された筋繊維が回復しないため筋肉は成長しません。筋肉に必要な休息時間には個人差がありますが、筋トレは1〜2日おきに行うようにしましょう。