肝臓は吸収された栄養の分解・合成や、体内に取り込まれた有害物質の解毒・分解、脂肪を消化するための胆汁の生成など、大変働き者の臓器です。またとても辛抱強く、少々のダメージではへこたれません。高い再生能力があるため機能が少々低下しても症状が現れにくく、肝機能の不調は気付かないうちに進行してしまうため、沈黙の臓器とも呼ばれています。
肝臓の機能を低下させる原因はお酒の飲み過ぎだけではなく、睡眠不足や食べすぎ、ストレス、過労なども原因となっています。これらが原因で破壊された肝細胞を修復するには、肝細胞の主成分であるたんぱく質を積極的に摂取することが必要です。また肝細胞を修復するためにはビタミンやミネラルも欠かせません。
肝細胞を修復し、機能を向上させる食べ物にはどんなものがあるのでしょうか。それでは簡単に出来る肝臓に良い食べ物レシピを紹介していきましょう。
肝臓に良い食べ物レシピ☆
5分でできる7つの簡単メニュー
シジミのお味噌
肝臓によい食べ物と言えば、やはりシジミです。シジミには肝機能を高めるタウリンが豊富に含まれています。タウリンは胆汁の流れを良くし黄疸などの症状を鎮め、肝細胞が酸化するのを防いでくれます。
他にもシジミは肝細胞の主成分である良質なたんぱく質や肝機能を正常に保つオルニチン、鉄、ビタミンB2、ビタミンB12が豊富に含まれています。
また味噌に含まれるレシチンには、アルコールが脂肪として蓄積されるのを防ぐ働きがあるため、二日酔いの解消には効果的です。シジミのお味噌汁を美味しく作るポイントはシジミを水から煮て、シジミの旨味を引き出すことです。火を通しすぎると風味を損ないますので、口が開いたら早めに日を止めるのも美味しく作るポイントです。
鶏レバーのショウガ煮
レバーも肝臓に良い食べ物ということは良く知られています。レバーには肝臓の重要な成分であるたんぱく質や必須アミノ酸を豊富に含み、ビタミンB群や各種ミネラルが豊富に摂取することが出来ます。特に鶏レバーは栄養価が高く、他のレバーに比べカロリーも低めなので、肝機能の低下を予防するためにはおすすめの食べ物です。
この鶏レバーに体を温め、血行を促進するショウガを加えることで、肝機能の改善になるだけではなく、レバーの臭みを抑え、食べやすくする効果もあります。
鶏レバーを牛乳につけて臭みを摂った後、醤油・酒・みりんで煮て、仕上げに千切りのショウガを加えます。鶏レバーのショウガ煮は一度にたくさん作って冷蔵庫で保存しておけば、ごはんのお伴やお酒のおつまみに手軽に食べることが出来ます。
タコのガーリック炒め
タコには肝細胞の再生を促し、肝機能を高める働きのあるタウリンが豊富に含まれています。このタウリンには酵素の働きを助ける効果もあり、アルコールの分解を早めて肝臓の負担を軽減する働きをします。またニンニクの主成分であるアイリンは酵素の働きを促進し、肝臓に欠かせない胆汁の分泌を高めてくれるので肝臓にととても良い食べ物と言われています。
みじん切りにしたニンニクを油で炒め、香りがでたところにタコを加え、火が通ったら塩胡椒で味を整えます。炒めるときの油はオリーブオイルを使うようにしましょう。
オリーブオイルには抗酸化作用や抗炎症作用があり、肝臓の解毒作用を高める働きがあります。この3つを組み合わせることで、さらに効果の高い肝臓に良い食べ物レシピになります。
ひよこ豆のカレー
ウコンは肝臓に良い食べ物として有名です。ウコンに含まれるポリフェノールの一種のクルクミンは、肝臓の解毒作用を強化する効果や胆汁の分泌を促進させる作用、肝機能を向上させる作用を持っています。
また二日酔いの症状を引き起こすアセトアルデヒドの分解を促進する作用もあるため、二日酔いの予防にも効果があると言われています。カレー粉に含まれるターメリックは、肝臓に良いとされるウコンと同じものです。このウコンにひよこ豆を合わせ、肝臓に良いカレーはいかがでしょうか。
ひよこ豆は肝臓の主成分であるたんぱく質や余分な脂質を輩出する助けをする食物繊維が豊富に含まれています。
ひよこ豆のカレーの作り方は、ひき肉・タマネギのみじん切り・ニンニクのみじん切りを良く炒め、カレー粉・塩胡椒を入れさらに炒めます。良く炒めたらトマトジュース・ひよこ豆を入れ、煮込みます。
塩胡椒・ソース・醤油などで味を整えたら出来上がりです。市販のカレーのルーを使うより、簡単にカロリー控えめに作ることが出来ます。
納豆オムレツ
あまり知られていませんが、納豆は肝臓に良い食べ物です。納豆の原材料の大豆には良質な必須アミノ酸が豊富に含まれているため、肝細胞の修復に役立ちます。また納豆には亜鉛やマグネシウムなど豊富なミネラルが含まれていますので、肝細胞の新陳代謝を高める酵素の働きを助けてくれます。
また卵黄には肝臓を保護し、脂肪肝を予防するレシチンと言う成分が含まれていますので、納豆と卵を一緒に食べられる納豆オムレツは肝臓に良い食べ物レシピになります。
納豆1パックに卵2つを良くかきまぜ、フライパンでオムレツにするだけなので、手軽に作ることができます。お好みでネギや海苔をかけて頂くとさらに美味しく食べられます。
かぼちゃの海老あんかけ
かぼちゃにはβカロチンやビタミンEが豊富に含まれています。βカロチンやビタミンEなどの抗酸化物質は、肝細胞を攻撃する活性酸素を除去する作用があります。
またかぼちゃには肝臓に負担をかける脂質を排出する働きがある食物繊維や、肝臓の解毒をスムーズにするビタミンCも豊富に含まれています。このかぼちゃにタウリンが豊富に含まれている海老をあわせることで、さらに肝臓に良い食べ物レシピになります。
タウリンには脂肪肝の改善に効果的ですし、海老の赤い色はアスタキサンチンという成分で肝臓の働きを助ける働きを持っています。出汁でかぼちゃを柔らかくなるまで煮たものに、包丁でたたいた海老を出汁に入れとろみをつけたものをかけます。
かぼちゃは肝機能の改善だけではなく、免疫力アップや冷え性の海鮮にも効果がありますので、意識して食べるようにしましょう。
カルボナーラ風リゾット
牛乳やチーズなどの乳製品に含まれる良質なたんぱく質は必須アミノ酸が多く、肝臓の再生や修復に欠かせない栄養素です。特にチーズは牛乳に比べ、たんぱく質やビタミA、カルシウムが多く、発酵・熟成の過程を経ることでたんぱく質や脂質が消化吸収されやすくなっています。
カロリーが高いと敬遠しがちですが、肝臓のためには積極的に食べるようにしましょう。余り物のごはんを水と一緒に鍋にいれ、火にかけます。
沸騰したら牛乳・チーズ・を加え、水分を吸わせながら温めていきます。お皿に盛りつけたら、卵黄と粉チーズ、胡椒をのせ、出来上がりです。お好みできのこやベーコンを加えても美味しく食べられます。
いかがでしょうか。
肝細胞の修復にはたんぱく質が不可欠です。たんぱく質を構成しているアミノ酸には肝臓の機能をサポートするものが多く含まれていますので、これらのアミノ酸を多く含む魚介類や肉類、乳製品、豆類を積極的に食べるように心がけましょう。
またこれらに代謝をサポートするビタミン類や、肝臓の機能を助けるミネラルを多く含んだ野菜や海藻もしっかり摂取することが大切です。
今回紹介した肝臓に良い食べ物レシピは、これらの他にも肝臓に良い食べ物レシピはたくさんあります。食材の組み合わせによって、肝機能の改善効果が高まるものもありますので、色々組み合わせて美味しいレシピを作ってみるのも面白いと思います。
ただし肝臓によい食べ物レシピを作る時には、出来るだけ塩分は控えるようにしましょう。また肝臓病の種類によっては、今回おすすめした食べ物は控えた方が良い場合もあります。医師を相談して、肝臓に良い食生活を送りましょう。
まとめ
肝臓に良い食べ物レシピ☆5分でできる7つの簡単メニュー
・シジミのお味噌汁
・鶏レバーのショウガ煮
・タコのガーリック炒め
・ひよこ豆のカレー
・納豆オムレツ
・かぼちゃの海老あんかけ
・カルボナーラ風リゾット