もずくはホンダワラなど他の褐藻類に付着することから「藻付く」と言う名前がついたとされていて、北海像から沖縄まで各地の沿岸に広く分布するヌルヌルとした食感が特徴の海藻です。
もずくに含まれる栄養素はミネラルやビタミンなど、他の海藻と比べるとそれほど特筆していないのですが、水溶性の食物繊維であるフコイダンの含有量は相当なものになります。
フコイダンは多糖類と呼ばれる糖の仲間で、もずく以外には昆布やワカメなどに含まれる海藻のヌルヌル成分です。フコイダンの効果は近年注目されていて、健康や美容のために積極的に摂取する人が増えてきていますよね。
毎日手軽に食べられるもずくは、特にダイエット中の人にはおすすめの食材です。そこで今日はフコイダンをはじめとするもずくの栄養素には、どのような効果があるのかについてお伝えします。ではご覧ください。
もずくの栄養が実は凄い!
ダイエットにも効果的なその理由
もずくは低カロリーで食物繊維が豊富!ダイエットの強い味方
もずくのカロリーは100gあたり、わずか6kcalとダイエットしたい人には最適な低カロリー食材です。しかも豊富に含まれるフコイダンは水溶性の食物繊維ですので、腸のなかで水分を含み、便を柔らかくする働きや、水分を含んで膨らむことで腸を刺激して排便を促します。
また食事の前にもずくを食べると、水溶性食物繊維であるフコイダンが胃の中で水分を吸収して膨らむため、食べ過ぎ防止にもなります。さらに小腸での腸の吸収を緩やかにしてくれるので、血糖値の急激な上昇を抑え、脂肪がたまりにくくしてくれる効果も期待できます。
もずくは加熱するとフコイダンが溶け出し、吸収率が高まるため、味噌汁やスープなどで食べることがダイエットにはオススメです。
基礎代謝アップでダイエット効果を高めよう
もずくの茶色はフコキサンチンという海藻に含まれるカロテノイド(色素成分)の一種です。このフコキサンチンには抗酸化作用だけではなく、余分なエネルギーを熱に変える働きがあります。
脂肪には余分なエネルギーを脂肪として溜め込む白色脂肪と、UCP1というタンパク質を持ち、余分なエネルギーを熱に変える働きをする褐色脂肪があります。フコキサンチンは白色細胞にUCP1の発現を促し、白色脂肪中の余分なエネルギーを熱に変えることで、脂肪の燃焼を助ける働きをします。
そのためフコキサンチンが体に吸収されると脂肪を分解し、燃焼しやすくする効果が期待できるのです。フコキサンチンは熱や光に弱いため、できるだけ生の状態で食べることがおすすめです。
免疫力アップで風邪やインフルエンザ、がんを予防しよう
もずくの栄養素で注目されているフコイダンは、体の免疫力を高める効果も期待されています。
フコイダンは免疫という体を守るシステムのなかで、特に重要な役割を担っているNK細胞を活性化させて免疫機能を高め、風邪やインフルエンザの予防に役立ちます。
またフコイダンには生存していくうえで不必要な細胞を自滅させる作用を起こし、がん細胞を消滅させる働きがあると言われています。そのためがん細胞を死滅させ、正常な細胞はそのままに成長させていくので、がんの予防に効果が期待できます。
他にもこのフコイダンはピロリ菌の動きを妨害して、胃がんの原因になる胃潰瘍や胃炎を防ぐ効果や、O—157を殺菌する作用もあるとされています。
ぬめり成分で生活習慣病を予防しよう
もずく特有のぬめり成分、フコイダンには血液の凝固を防ぎ、コレステロールを低下させるなど、生活習慣病の予防に効果が期待できます。コレステロールはホルモンや細胞膜を作る大切な材料ですが、多すぎると動脈硬化を進行させてしまいます。
血液中にコレステロールが溢れ出ている高コレステロール血症と呼ばれるものになると、余ったコレステロールが血管壁のなかに入り込み、血管壁に厚みを作ります。すると血管内部が狭くなり、血液が流れにくくなってしまいます。
この状態が続くと脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす原因となってしまいます。フコイダンの血液サラサラ効果とコレステロールを低下させる作用で、動脈硬化を予防し、健康な体を作っていきましょう。
豊富なヨードで健康な髪を育てよう
海藻は髪に良いと言われていますが、もずくにも健康な髪を育てるために必要な栄養素が豊富に含まれています。もずくに含まれるヨードというミネラルには髪の毛のもとである毛母細胞の働きを活発にする働きがあります。
またもずくには髪の毛の成分のひとつであるアミノ酸や保湿作用や皮膚再生作用が期待できるジアスターゼ、アルギン酸、豊富なミネラルなど育毛に有効な栄養素が豊富に含まれています。
またヌルヌル成分であるフコイダンは艶やかな髪質を育て、髪の毛を黒くする作用もあるとされています。抜け毛や薄毛だけではなく、白髪が気になる人ももずくを積極的に食べてみてはいかがでしょう。
もずくでカルシウムを摂取して骨粗鬆症を予防しよう
現代の日本人に足りない栄養素と言えば、ミネラルです。特にカルシウムは不足しがちで、不足した状態が続くと骨粗鬆症の原因となってしまいます。もずくのカルシウム含有量は牛乳と同じく100gあたり100mgですが、マグネシウムは牛乳より多く含まれています。
マグネシウムはカルシウムの細胞内への異常な取り込みの防止や、骨へのカルシウム沈着の促進などに効果があり、効率良くカルシウムを摂取するのに役立ちます。女性は高齢になると骨粗鬆症になりやすい傾向にあるため、カルシウムとマグネシウムがバランス良く摂取できるもずくを食べて、骨粗鬆症予防に心がけましょう。
高い保湿効果で美肌効果を期待しよう
フコイダンはもずくのぬめり成分に多く含まれている物質で、このぬめりには海藻自体の乾燥を防ぐという目的と、海藻の表面が傷ついてもそこから細菌などが侵入しないようにする目的があります。
美肌の大敵は乾燥と言われるように、肌トラブルの改善には保湿は欠かせません。フコイダンを肌に塗ることで肌表面に薄い膜を作り、肌内の水分の蒸発を防いで、肌トラブルを改善することができます。
またシミやしわといった老化現象を引き起こす原因のひとつに活性酸素があります。
フコイダンには強い抗酸化作用があり、細胞にダメージを与える活性酸素を除去し、体の酸化を防ぐことができます。最近ではフコイダンを配合した化粧品も多く販売されていますが、もずくには美肌に必要なミネラル分も豊富に含まれます。もずくを食べて体の中からも美肌を作っていきましょう。
さて、もずくに含まれる栄養素はダイエットだけではなく、様々な健康や美容に効果があります。もずくの食べ方でポピュラーなのがもずく酢ですが、もずくのヌルヌル成分は酢と一緒に食べると体内吸収が良くなるため、理にかなった食べ物ですよね。
特に食前にもずく酢と食べることで、余分な脂肪の吸収を妨げてくれるのでダイエット効果が高まります。どうしてもお酢が苦手という人はお酢の量を減らしたり、麺つゆを少し加えたりして食べてみて下さい。
もずくに含まれるフコイダンは1日24g摂取すると良いと言われています。市販のもずく酢1パックには15〜20gのフコイダンが含まれますので、1日1パックを目安に食べるようにしましょう。
塩漬けの場合は食べる分だけ洗ってから使いますが、洗いすぎるとぬめり成分も落ちてしまいますので、注意しましょう。手軽にできるもずくダイエットで、体の中からきれいに健康になりましょう。
まとめ
もずくの栄養はダイエットにも効果的
・もずくは低カロリーで食物繊維が豊富!ダイエットの強い味方
・基礎代謝アップでダイエット効果を高めよう
・免疫力アップで風邪やインフルエンザ、がんを予防しよう
・ぬめり成分で生活習慣病を予防しよう
・豊富なヨードで健康な髪を育てよう
・もずくでカルシウムを摂取して骨粗鬆症を予防しよう
・高い保湿効果で美肌効果が期待できる