ししとう(獅子唐)をご存知ですか?あまり主役になる食材ではないため、ししとうって何?と思う方もいらっしゃるかもしれませんよね。ししとうは、夏野菜の天ぷらの盛り合わせなどに入っている細長いピーマンのような形をしているアレです。串焼きに入っていることも多いですね。
そんな風に脇役的なお料理が多いため、あまり認知度が高くないししとうですが、実はとても栄養的に優れた野菜なのです。しかしその栄養価は、よく似ているピーマンと比較しても優れていると言われるくらい優秀な野菜です。
ししとうは、甘唐辛子(唐辛子甘味種)の一つで、ピーマンやパプリカもこの部類に含まれます。そんな甘味種であるはずのししとうですが、まれに激辛のものが混ざっていることもあります。辛い物が苦手な方は、小ぶりで種の少なそうな形をしたものは避けるようにしましょう。
そこで今日は、そんなロシアンルーレット的な面白さも含んだししとうに含まれている有効な栄養素の面から、その意外な魅力についてみていきましょう。ではご覧ください。
(ししとうの量の目安として、およそ5個で可食部30gです。)
ししとうの栄養とその効用は?
意外と知らない7つの魅力
美しく健康になります
「ビタミンC」
ししとう100gには57mgのビタミンCが含まれており、たった5個のししとうを食べるだけで、一日に必要な摂取基準の17%を摂ることができます。
ビタミンCは、コラーゲンの生成に関わったり、メラニンの生成を抑える働きをするビタミンです。
また、抗酸化作用によってアンチエイジング対策に有効であったり、免疫力を高める等の健康に欠かすことの出来ないビタミンですので、ししとうを食べることで美しく健康な身体を目指すことができます。
ただしビタミンCは熱に弱いビタミンのため、生のまま刻んで食べたり、味噌をつけて食べるなどすると、ビタミンCをたっぷりと摂取することができます。
加熱する場合も、なるべく短時間でさっと湯がいたり炒めたりすれば、ビタミンCの損失は少なくてすみます。
免疫力がアップします
「ビタミンC・ビタミンA(βカロテン)」
ししとうに含まれているビタミンCには免疫力を強化する働きがあり、体内に侵入したウイルスを攻撃する白血球を助ける働きと共に、自らもウイルスと闘います。
また、ししとうにはβカロテンも比較的豊富に含まれており、βカロテンは体内でビタミンAとして働きます。
ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きをしていますが、外敵からの防衛器官としての皮膚や粘膜が正常に働くことは、免疫力のアップにつながります。
これらのビタミンの働きで、ししとうを食べると風邪などの病気になどに対する免疫力アップ効果が期待できます。
抗酸化作用で健康にアンチエイジング
「ビタミンC・ビタミンA・ビタミンE」
ビタミンCには強い抗酸化作用があり、過酸化脂質の生成を抑制して、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞を予防する効果が期待できます。また、細胞の酸化に効果があるという意味で、お肌のアンチエイジングにも効果が期待できます。
ビタミンAは、体内で発生する活性酸素から身体を守る働きをします。その為、身体が酸化して老化したり、動脈硬化やがんになるのを予防する効果が期待できます。
ビタミンEも過酸化脂質の生成を防ぐ働きをします。それによって身体の細胞の老化や動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などを防ぐ効果が期待できます。
ししとうに含まれるこれら3つの抗酸化ビタミンを摂れば、アンチエイジング対策は万全です。
美しい肌を保ちます
「ビタミンC・ビタミンA・ビタミンB6・ビタミンE」
ビタミンCは、メラニンの生成を抑制して、美しいお肌を作りだします。
ビタミンAには皮膚を正常に保つ働きがあるため、潤いのあるお肌を保つの欠かすことの出来ないビタミンです。
ビタミンB6は、美肌の為のビタミンと言われ、不足すると肌荒れや口内炎、脂漏性皮膚やニキビなどを引き起こしてしまいます。
ビタミンEは、血行を促進する効果があるため、新陳代謝が活発になり、ハリのある美しいお肌を作ってくれます。
ししとうはこれらの4つのビタミンを豊富に含んでいます。
女性のリズムを整えます
「ビタミンE」
ビタミンEは、女性ホルモンや男性ホルモンの代謝に関係しているビタミンです。ビタミンEの化学名はトコフェロールと言い、これには「子供を産ませる」という意味があるのです。
ビタミンEは、脳の下垂体に働きかけ、ホルモン分泌を促進させます。
それによって、月経前症候群の症状の緩和や、生理痛や生理不順などを改善する効果があると言われています。また、不妊治療や更年期障害の治療の際にも使用されることのあるビタミンです。
また、血行を促進させて冷え性などを改善する効果もあり、まさに女性にとって必須のビタミンです。
ししとうを食べることで、毎月のリズムや体調を整える効果が期待できます。
むくみをスッキリさせます
「カリウム」
カリウムは、ナトリウムと共に体液を構成し、浸透圧を維持調整する働きをしています。
余分なナトリウムと水分を細胞外に出し、またナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防いで尿に排出されるよう促す働きをするため、塩分の摂取量が多めと言われている現代人には欠かせないミネラルの一つです。
特に女性にとって、むくみは深刻な悩みです。
顔や脚などがむくみがちで気になっている女性は、ししとうに豊富に含まれるカリウムを積極的に摂取して、むくみを解消しましょう。
骨や歯を丈夫に保ちます
「ビタミンK」
ししとうには、ビタミンKが豊富に含まれています。ししとう5個で、一日に必要な摂取基準の24%を摂ることができます。
ビタミンKは、血液を凝固させたり、またそれを抑制したりという働きを持っています。
また、ビタミンKは、骨からカルシウムが排出されるのを防いで、骨を丈夫に保つという働きをしています。そして、骨にカルシウムが沈着する再石灰化にも関与しているため、骨粗しょう症の予防に有効な栄養素の一つとして治療薬にも使用されています。
ししとうを食べることで、丈夫な身体作りができます。
いかがでしょう、今まで、地味な脇役的存在でしかなかったししとうのイメージが、ガラッと変わってしまったという方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。ししとうには、こんなにも沢山の栄養素が詰まっていたんです。
ししとうの食べ方も実はいろいろとあり、ベーコン巻にしたり、刻んで炒めて甘辛い味噌で味付けしたり、チーズをのせてレンジでチンするだけなんていう食べ方もあります。
たった5個程度でも沢山の栄養を摂ることができるししとう、ぜひ召し上がってみて下さい。
まとめ
ししとうの栄養とその効果
・ビタミンCで美しく健康になります
・免疫力アップします
・抗酸化作用でアンチエイジング
・美しい肌と髪の毛を保ちます
・女性のリズムを整えます
・むくみをスッキリさせます
・骨や歯を丈夫に保ちます