肝臓に良い食事のために気をつけるべき7つの注意事項


肝臓は人間の体の中で一番大きな臓器で右の上腹部の横隔膜の下にあります。お酒をよく飲む人は健康診断の肝臓の数値が気になる、なんていいますよね。

肝臓はお酒に含まれるアルコールや体内で発生した有害なアンモニアなどを体外に排出する解毒作用があるからです。でも、肝臓の働きはそれだけではありません。

肝臓は体の化学工場と言われています。体内に入ってきた炭水化物などのブドウ糖は腸で消化吸収され、肝臓に運ばれてグリコーゲンに分解され蓄え、体が必要な時にエネルギー源として使われます。

タンパク質は小腸でアミノ酸に分解され、肝臓で体に必要な形のタンパク質に作りかえられます。脂質は小腸で脂肪酸に分解され肝臓に送られてコレステロールや中性脂肪などに合成されます。

また、胆汁を作って脂質の消化吸収を助けます。なので、お酒を飲みすぎたり不規則な食生活を続けて肥満になると肝臓での処理が間に合わなくなり肝臓に中性脂肪が蓄積され脂肪肝となり、最終的には肝硬変など重篤な病気を引き起こしてしまいます。

肝臓は神経がないので痛みなどが出にくい上、再生能力も高い臓器なので自覚症状がでた時はかなり病状が進行しているという事が多いので日頃から注意が必要です。これから肝臓に良い食事のために気をつけるべき7つの注意事項を紹介します。

 

肝臓に良い食事のために
気をつけるべき7つの注意事項

 

お酒は適量、おつまみにも気をつけよう

肝臓に中性脂肪がたまる脂肪肝にはアルコール性のものと非アルコール性のものがあります。

毎日大量に飲酒をしていると、5年、10年後には脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変と着実に肝臓病はステップアップしていき最後は命を落とすことになってしまいます。

日本酒だと1日1~2合以下、ビールだと中びん1~2本、焼酎だと2分の1合程度が適量だといわれています。肝臓の1日の処理能力を守るためにも週に2回は休肝日を設けましょう。

おつまみに揚げ物など高カロリーなものやソーセージやチーズなど塩分の高い物を取り過ぎていたら肥満や高血圧の原因になりますので気をつけましょう。

 

甘い物の食べ過ぎに気をつけよう

私はお酒は飲まないから肝臓は大丈夫、と思っていませんか?最近、非アルコール性の脂肪肝になる人が増えています。

特にホルモンの分泌量が減少する50代以降の女性に多くみられます。パンやお菓子に含まれる砂糖は非常に吸収されやすく肝臓で中性脂肪に合成されます。

その上、パンや洋菓子にはバターーやショートニングなど動物性脂肪やトランス脂肪酸が多く含まれているので甘い物を食べ過ぎていると脂肪肝になる訳です。間食はほどほどにして、外食の多い方は炭水化物に偏らないよう気をつけましょう。

 

タンパク質は肉より魚で取ろう

一昔前は肝臓の治療には高たんぱく高カロリー食と言われていましたが、これでは弱った肝臓にさらに負担をかける上、脂肪肝の原因がカロリー取り過ぎの肥満の場合は全く逆効果になってしまいます。

中性脂肪になりやすい肉よりも低カロリーな魚類で良質なたんぱく質を取るようにしましょう。

いわしやあじ、さんまといった青魚にはオメガ3脂肪酸であるEPAが含まれていて中性脂肪を減らしコレステロール値を下げ、動脈硬化や生活習慣病に効果があることはよく知られていますよね。

それだけでなく、青魚は肝臓がんの発症リスクを下げることが最近の研究で明らかになっています。

 

大豆製品、豆腐や納豆を食べよう

弱った肝臓を回復させるには必須アミノ酸を多く含んだ良質なたんぱく質を取ることが必要です。

低脂肪で良質な植物性タンパク質を多く含む大豆製品や豆腐、納豆が健康に良いことは知られていますが、大豆に含まれるサポニンは過酸化脂質ができるのを予防して中性脂肪を減らし、肝機能を正常にしてくれます。

また、不飽和脂肪酸のリノール酸やビタミン、カルシウム、食物繊維も豊富ですので、コレステロール値を下げ生活習慣病を予防します。生活習慣病を引き起こす食生活は脂肪肝になる食生活ということですので豆腐や納豆を積極的に取りましょう。

 

かきやいか、たこを食べよう

かきやいか、たこなどの魚貝類にはタウリンが豊富に含まれています。タウリンは疲労回復効果があることで有名ですよね。

タウリンは肝細胞を再生し保護する効果があるほか、アルコールをアセトアルデヒドに分解するのを助けるので二日酔いを防いでくれます。

また、肝臓から胆汁酸の分泌を促進するのでコレステロールの排出を促進させ、血流がよくなりそれが疲労回復につながります。そのうえ、肝臓にたまった中性脂肪を排出する効果もあるので脂肪肝の予防もしてくれます。

 

野菜や食物繊維を食べよう

野菜や食物繊維は便通をよくするので、腸内環境を改善して腸内でアンモニアの吸収を抑えてくれます。

便秘になると腸内で有害な物質が発生してしまい、肝臓は体内で発生した有害物質の解毒を行っていますので便秘は肝臓に負担をかけてしまうのです。また、野菜に豊富に含まれるビタミンやミネラル類は抗酸化作用があり、肝臓の細胞の新陳代謝を促進し肝臓の中に脂肪がたまるのを防ぐ効果があります。

毎日の食生活の中で野菜や食物繊維、きのこや海藻、こんにゃく類などを取るようにしましょう。

 

添加物をなるべく避けよう

加工食品には必ず保存料や着色料といった添加物が使われています。肝臓は体に有害なものを解毒しているのでたくさんの添加物を取っていると肝臓を疲れさせてしまいます。

添加物を多く含む食品はなるべく避けるよう心がけましょう。ソーセージやハム、ちくわやかまぼこ、漬物などには発色剤や保存料、着色料が多く使われている上、塩分も多いので要注意です。

また、低カロリーの清涼飲料水やアイスなどは一見カロリーが低くて健康的に見えますが合成甘味料が多く使われていて依存性もあるので気をつけましょう。

 

いかがでしたでしょうか。

これまで肝臓に良い食事のために気をつけるべき7つの注意事項について紹介してきました。最近、非アルコール性の脂肪肝になる人が急速に増加していています。

肝臓は沈黙の臓器と言われるだけに自覚症状が出にくく、健康診断の数値でも特に異常が見られないまま脂肪肝になっている場合もあります。

進行すると非アルコール性脂肪性肝炎、NASHと言われる病気になり、さらに進行すると肝硬変や肝がんを発症してしまい、命を落とすことになってしまいます。

メタボリックシンドロームや生活習慣病と同じで肝臓の異常の初期段階、脂肪肝は日常の食生活を気をつけることで充分に防ぐことができます。7つの注意事項を参考に肝臓に良い食事を心がけましょう。

 

まとめ

肝臓に良い食事のために気をつけるべき7つの注意事項

・お酒は適量、おつまみにも気をつけよう
・甘い物の食べ過ぎに気をつけよう
・タンパク質は肉より魚で取ろう
・大豆製品、豆腐や納豆を食べよう
・かきやいか、たこを食べよう
・野菜や食物繊維を食べよう
・添加物をなるべく避けよう


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