口内炎は口のなかの粘膜や舌に起こす炎症を総称したものです。病気になった場合、早めに対処することが早期回復の要になるように、口内炎も同じく発症が自覚できた時に対処することが重要になります。
口内炎の難点は口のなかにできるため、絆創膏や包帯などで保護することができません。そのため適切な処置ができないまま、悪化させてしまうことが多くあります。
口内炎は睡眠不足や疲労が続いている時やストレスが溜まっている時、不規則な食事や暴飲暴食が続いている時などにできやすく、痛みを伴うため食事に困ってしまうことがあります。
口内炎ができてしまった時には、特に食事に気をつけなくてはなりません。
それでは口内炎になったら避けておくべき食べ物の原因と理由をお伝えしていきましょう。
口内炎になったら避けておくべき食べ物は?
その原因と理由
唐辛子や香辛料などの辛い食べ物は避けよう
口内炎ができる原因は様々ですが、唐辛子や香辛料などの辛い食べ物の刺激によっても引き起こされることがあります。ただれて赤くなった口内炎には辛み成分がしみて、症状が良くならないことがあります。
また医学的にはっきりとわかっているわけではありませんが、口内炎は胃腸の不調やビタミン不足が原因になることが多くあります。
胃腸が不調の時は、唐辛子などが胃や腸の粘膜にダメージを与えてしまうことがあります。また唇や口のなかも刺激に弱いため腫れたり、口内炎ができる原因になります。
口内炎ができている時や胃腸が弱っている時には、特に唐辛子などの刺激の強い物は避けるようにしましょう。
パイナップルやメロンなど特定の生の果物は避けよう
生のパイナップルやメロンにはプロテアーゼというたんぱく質分解酵素が含まれていて、肉類の消化を助けたり、腸内の腐敗物を分解し、下痢ガス発生の症状緩和に効果があると言われています。
ただし口内炎ができている時は、この酵素がたんぱく質でできている口のなかの細胞を溶かしてしまい、口内炎に刺激を与えてしまいます。
また熟れていないパイナップルは針のように尖った形状のシュウ酸カルシウムが含まれていて、食べると舌がピリピリしたり、口のなかが荒れてしまう原因になります。
プロテアーゼはパイナップルやメロンの他にも、パパイヤやイチジク、キウイなどに含まれていますが、これらの果物には口内炎の改善に効果のあるビタミン類が多く含まれています。
酵素は加熱によって活性が失われますので、これらの果物を食べる時は缶詰や加熱してあるジュースなどで食べるようにしましょう。
極端に熱いものや冷たいものは控えよう
口内炎ができると極端に熱いものや冷たいものを食べると染みたり、痛みが強まることがあります。
特に熱いものをよく食べる人は口のなかで火傷を起こし、細菌が繁殖して炎症を起こすことで口内炎になってしまいます。
口内炎ができないようにするためには、適度な温度にしてゆっくり食べることが大切です。また口内炎は口のなかに傷ができたり、免疫力が弱まると雑菌が繁殖しできてしまいますので、口のなかを清潔にする必要があります。
そのためにはうがいや歯磨きをしっかり行うことが大切ですが、口を濯ぐ時は痛みが増すことがあるため冷たい水は控えるようにしましょう。
ぬるま湯でしっかりと口を濯ぐだけで、口内炎の予防に繋がります。
頬の内側や歯茎に張り付く食べ物や水分の少ないパサつく食べ物は避けよう
唾液には口腔内粘膜の保護や殺菌・抗菌作用があり、何らかの原因で唾液の分泌量が減少すると口のなかの自然治癒力が低下してしまいます。
口内炎がなかなか治らない、治ってもすぐにできてしまう場合は、唾液の分泌量が低下している可能性があります。口内炎ができている時は、水分の少ないパサつく食べ物は口のなかの水分の奪い、唾液の分泌を阻害するため避けた方が良いでしょう。
また唾液には消化を助ける働きもあるため、分泌量が少なくなると胃腸に負担がかかってしまい、口内炎ができる原因にもなります。唾液の分泌量を増やすには顎の下をマッサージしたり、歯の裏を舌でなぞる運動をすると効果があります。
ガムやキャンディーは唾液の分泌を促進させますが、頬の内側や歯茎に張り付き、患部に刺激を与えてしまうことがあります。
口内炎の症状がひどい時は、食べないことがおすすめです。
禁煙しよう
口内炎には様々な種類がありますが、ヘビースモーカーがかかりやすいニコチン性の口内炎があります。
ニコチン性口内炎は、読んで想像できるようにタバコが原因でできる口内炎で、口の粘膜、特に上の口蓋部分が白くなり、分厚くなってしまう口内炎です。
ヘビースモーカーやチェーンスモーカーに発症することが多く、禁煙することで改善されます。
タバコを吸う人はあまり意識していませんが、タバコの呼気は熱く、乾燥しています。このタバコの乾燥した呼気が口のなかを乾燥させ口内炎ができやすい環境を作り、呼気による熱気が原因で火傷状態を作ることで口内炎ができやすくなります。
ニコチン性口内炎は痛みなど伴わないことが多いですが、箇所によってはしみることもあります。禁煙するかタバコの本数を減らすように心がけましょう。
固い食べ物は控えるようにしよう
口内炎は口腔内の粘膜に傷が付き、炎症を起こしてしまうことが原因で引き起こされます。
煎餅やポテトチップス、天ぷらの衣などの硬い食べ物や鋭い形の食べ物は口のなかや歯茎を傷つけやすくなる原因なので、注意が必要です。
硬い食べ物を食べる時はゆっくりとしっかり噛んで、口内炎ができないように注意することが大切ですが、できてしまった場合も、これらの硬い食べ物は患部を傷つけて悪化させてしまうことがあります。
口内炎に触れることで痛みが増したり、染みることもありますので、避けるようにしましょう。
口内炎ができている時はスープや煮込み料理など柔らかい料理がおすすめです。魚の骨などは口腔内を傷つけてしまうことがありますので、口に入れる時には注意することが大切です。
消化の悪い食べ物は避けよう
口内炎が繰り返しできてしまう人は、胃腸の調子が良くないと言われています。
東洋医学では口と腸は繋がっていると考えられていて、口のなかでしっかり噛み砕かないまま飲み込んでしまうと胃腸に負担がかかり、胃腸が弱ってしまうとそのサインとして口内炎ができると言われています。
口内炎ができてしまったら、胃腸に優しく、栄養がしっかりととれる食事を心がけましょう。
口内炎を改善するにはビタミンが必要になりますが、ビタミンを多く含む生野菜は消化が悪く、胃腸に負担がかかる食べ物です。お粥や煮込んだうどん、酸味の少ないジュースなど消化が良く栄養のある食事を摂るようにしましょう。
また不規則な生活や睡眠不足も胃腸の調子を悪くする原因ですので、規則正しい生活を心がけることも大切です。
いかがでしたでしょうか。
口内炎は自然に治すまで2週間ほどかかります。
悪化させずに、早く治すためには紹介したこれらの食べ物を避けるようにし、食かがよく、バランスの良い食事を心がけましょう。
また粘膜を強化する働きのあるビタミンB群が豊富な豚肉や消化を助ける酵素が含まれる大根、糸湯の働きを助けるニンジンなどを積極的に摂取することもおすすめです。
またレンコンに含まれるムチンは口内炎に効果があるとされています。
大きく切ると口内炎にあたって刺激になりますので、すり下ろしたり小さく切って食べるようにしましょう。
2週間以上口内炎が治らずに、口の周りや唇にも広がったり、発熱や倦怠感を伴う場合は、他の病気や感染症の可能性があります。この場合は一刻も早く医療機関で診察を受けることをおすすめします。
まとめ
口内炎になったら避けておくべき食べ物は?その原因と理由
・唐辛子や香辛料などの辛い食べ物は避けよう
・パイナップルやメロンなど特定の生の果物は避けよう
・極端に熱いものや冷たいものは控えよう
・頬の内側や歯茎に張り付く食べ物や水分の少ないパサつく食べ物は避けよう
・禁煙しよう
・固い食べ物は控えるようにしよう
・消化の悪い食べ物は避けよう