大人ニキビ場所から知る、あなたの身体のSOS

大人ニキビ場所から知る、あなたの身体のSOS
「思い思われ振り振られ」なんて可愛くないのが大人ニキビですね。十代の思春期にほとんどの人が経験する「ニキビ」とは違い、「大人ニキビ」とは二十歳以上の男女が顔や首に発症する皮膚の炎症性疾患のことです。あごや口の周りにニキビができる、しかも同じ場所に繰り返しできる、治りにくい、生理前になるとできやすい、などが大人ニキビの一般的な特徴とされます。

二十歳を越えてからも大人ニキビに悩む人は、女性の約50%、男性の約25%と言われています。実は大人ニキビの原因は、思春期のニキビの原因とは違うものなのです。そして場合によっては、大人ニキビには不調を訴える身体からのSOS信号の意味があります。今日は大人ニキビが伝えている身体の不調の可能性を、大人ニキビのできてしまった場所で分類してお伝えします。

 

大人ニキビ場所から知る
あなたの身体のSOS

 

女性のあごの周りにできる大人ニキビは女性ホルモン分泌に異常があるかも

大人ニキビの説明の前に、思春期のニキビの原因をおさらいしましょう。第二次性徴に伴い、女性ならエストロゲン、男性ならテストステロンなどの性ホルモンが急増することで、それまでのホルモンバランスが崩れ、皮脂が急激に分泌されます。その皮脂によって毛穴がふさがってしまうと、嫌気性細菌(酸素を嫌う細菌、アクネ菌など)が毛穴の中で繁殖し、毛穴の中の皮脂を酸化させ炎症を起こします。その炎症や酸化した皮脂が赤、黒、黄色などの皮膚炎、つまりニキビとなるのです。

しかし、二十歳を過ぎた大人では、第二次性徴は完了し、思春期は終わって、ホルモンバランスは安定しているのが一般的です。大人ニキビは、その安定しているはずのホルモンバランスに、異常があるときのサインである可能性があります。ホルモンバランスが崩れると、角質が上手に剥がれず毛穴をふさぎ、大人ニキビとなるのです。

特に女性は生理周期によって、卵巣などで作られる女性ホルモン(エストロゲン)の量が変化するため、ホルモンバランスを崩しやすい傾向があります。ストレスや生活リズムの乱れ、睡眠不足などによって生理周期が乱れたり、ホルモンバランスが崩れると、大人ニキビが発症します。

また、卵巣のう腫、子宮内膜症、子宮筋腫などの婦人科系疾患があると、女性ホルモンの分泌が低下して、大人ニキビの原因となります。

こういった女性特有のホルモンバランスの崩れからくる大人ニキビは、下あごの周辺にできることが知られています。あなたのあごに繰り返しできる大人ニキビは、最悪の場合、婦人科系疾患の可能性がありますので、婦人科を受診することをおすすめします。また、低用量ピルの服用でホルモンバランスを回復させることが、大人ニキビが改善する可能性があります。

低用量ピルには黄体ホルモンと卵胞ホルモン(エストロゲン)が含まれていますので、医師の診断とともに服用することで、安定的なホルモンバランスに近づけることができます。

 

髭剃り跡、洗顔でこすった跡に大人ニキビができる場合は、自己免疫疾患かも

髭を剃った後、剃った場所に大人ニキビができることが多い。洗顔のときにTゾーンを念入りにこすったら逆に赤いニキビができた。このような大人ニキビは、ホルモンバランスや皮脂が原因ではなく、皮膚の過敏性がきわめて高まっている可能性があります。このような症状が出現する病気として、ベーチェット病(ページェット病とは別の病気)や、クローン病といった、自己免疫疾患の一部があります。

ベーチェット病とは、目、口、皮膚、外陰部の他、中枢・末梢神経、消化管、関節、血管といった全身で炎症を起こす疾患です。原因は不明ですが、本来は外部からの細菌やウイルスを攻撃するべき体内の免疫システムが、自身の細胞を攻撃してしまっていると考えられています。

初期症状としては口内炎が良く知られており、加えて皮膚が過敏となって、少しの刺激で赤く炎症を起こすことがあります。この刺激による皮膚の炎症が顔や首にできると、大人ニキビと見間違えられることがあるのです。髭剃りや洗顔で、いつも触れる場所にだけ大人ニキビができるなと思っている方は、万が一に備えて、皮膚科の医師に診察してもらいましょう。その時はよく触れる場所に大人ニキビができることを、忘れずに伝えましょう。

クローン病は、口から肛門までの全ての消化管に炎症が起きる病気です。これも前述のベーチェット病と同じく、自己免疫疾患の一種で、自己の免疫システムの異常が原因だと考えられています。この病気の場合は、消化管炎症の合併症として、結節性紅斑や壊疽性膿皮症という皮膚症状があります。

結節性紅斑は赤く見える皮膚の炎症、壊疽性膿皮症の初期は膿がたまっている大人ニキビのように見えるのです。ただ、これらは顔以外にも同時期に発症する可能性が高いので、単なる大人ニキビではないと判断しやすいかもしれません。そう判断できたら、早急に皮膚科を受診してください。

 

髪の生え際や髭の毛穴といった毛の根元が腫れていたら、毛嚢炎や粉瘤腫かも

大人ニキビと見た目がそっくりなのが、毛嚢炎と粉瘤腫です。毛嚢炎は毛穴より下にある毛を取り囲む組織に、黄色ブドウ球菌などの常在菌やその他の細菌が感染して炎症をおこす病気です。衛生状態が悪かったり、外傷が原因で発症しますが、全ての原因が明らかになっているわけではありません。表皮に近い浅い部分のみであれば大したことはありませんが、深い構造部にまで及ぶと危険です。

粉瘤腫は毛根部分の細胞が変化してしまい、角質などの皮膚の老廃物をその変化した細胞が取り囲み、表皮の下で老廃物がコブのようになってしまう症状です。良性のコブですが、手で潰してしまったりすると、細菌感染して化膿してしまう可能性があります。

毛嚢炎は消毒薬入り石鹸で洗う、抗生物質を塗るまたは服用することで治療します。粉瘤腫は化膿予防の抗生物質と、除去したい場合は外科的に切除することが必要になります。どちらの場合も皮膚科での治療が必要です。

 

ほとんどの大人ニキビはホルモンバランスの乱れと、それによって角質が毛穴をふさぐことが原因です。女性だけでなく男性も、ストレスや睡眠不足によってホルモンバランスの乱れは起こりうるので、十分な睡眠とストレス解消が一番の治療法です。

また、角質が自然と剥がれるように肌を保湿することはとても効果があります。しかし保湿の際に気をつけて欲しいのは、洗顔をし過ぎないことと、刺激の強い化粧水や化粧品を避けることです。皮脂が過剰だった思春期のニキビとは違い、大人ニキビは角質が剥がれにくいことが原因だということを意識してください。

皮脂を必要以上に洗い落とす必要はありませんし、刺激物は大人ニキビの炎症をより悪化させます。大人ニキビの原因は皮膚にあるのではなく、あなたの日常生活にあるので、心を落ち着かせて生活改善を心がけましょう。

 

今日のまとめ

大人ニキビ場所から知る、あなたの身体のSOS

・女性のあごの周りにできる大人ニキビは、女性ホルモン分泌異常の可能性がある
・髭剃り跡、洗顔でこすった跡に大人ニキビができる場合は、自己免疫疾患かもしれない
・髪の生え際や髭の毛穴といった毛の根元が腫れていたら、毛嚢炎や粉瘤腫かもしれない
・ほとんどの大人ニキビは、ストレスや睡眠不足が原因である


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