小さなピンク色の花を咲かせ、甘い香りがするゼラニウムは、アフリカの喜望峰辺りが原産で、とても種類が多いハーブです。
ゼラニウムの種類のなかでも特に香りが良く香料や香辛料として使用するものをセンテッド・ゼラニウムといい、バラの香りのするローズゼラニウムのほか、ミントやオレンジ、レモンなどの香りを持った種類があります。
アロマテラピーで使用されるゼラニウムは主にバラの香りのするローズゼラニウムで、ゲラニオールやネトロネロール、リナロールなどバラの共有した成分を持っています。
ゼラニウムは多くの効能があり、古くから様々な用途に使用されてきました。
なかでも女性に役立つ効能が多く、女性ホルモンに働きかけ心と体のバランスを回復し、女性の心強い味方になってくれる香りとして人気があります。
それではゼラニウムが女性ホルモンに働き、どのような効能があるかお伝えしていきましょう。
ゼラニウムの効能と
女性ホルモンに働く7つの作用
生理痛や生理不順、PMSの症状を改善しよう
ゼラニウムが体に与える効果と効能で代表的なものが、女性ホルモンのバランスを整えてくれることです。
女性ホルモンのバランスが乱れると生理不順や重い生理痛、さらにひどくなると無月経になってしまいます。
また女性ホルモンの分泌が悪くなると、不妊などの原因になってしまいます。
生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)などの症状を和らげるには、ゼラニウムのエッセンシャルオイルを使ったアロマバスがおすすめです。
ゼラニウムには女性ホルモンのバランスを整える効能があり、香り成分がホルモン分泌の命令を出す脳下垂体や視床下部に刺激を与え、ホルモンのバランスを整えてくれます。
またゼラニウムには鎮痛が期待できるゲラニオールと言う成分が含まれていますので、ゼラニウムのエッセンシャルオイルを混ぜたマッサージオイルで下腹部をマッサージすると生理痛の緩和に効果的です。
更年期障害のストレスを緩和しよう
更年期障害は閉経が近づくことで卵巣の働きが低下し、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌量が急激に減少することで引き起こされる症状のことを指します。
めまいや動悸、イライラなどの情緒不安定など症状は人それぞれですが、更年期障害の主な症状のひとつが自律神経の乱れです。
ゼラニウムにはホルモン分泌を調節する効能や、副腎や視床下部に働いて自律神経を調節する効能があるため、更年期障害による諸症状に効果があるとされています。
ゼラニウムの甘いフローラルな香りが、イライラや落ち込みがちな気分を明るくさせてくれます。
エッセンシャルオイルを使ったアロマバスもおすすめですが、ゼラニウムを使ったハーブティーも更年期障害の症状の緩和に有効です。バラにも似た甘い香りがストレスを緩和し、優しい気持ちにしてくれるでしょう。
体のむくみを改善しよう
むくみは冷えや便秘と並んで、女性に多い症状です。
これは男性に比べ筋肉量が少なく、低血圧の人も多いため、心臓から血液を臆し出すポンプ作用が弱く、身体に溜まった水分を引き上げる力も弱いことが理由のひとつです。
またむくみは女性ホルモンの変動にも影響されます。
女性ホルモンには水分を溜め込む働きのあるナトリウムを蓄積しやすくする作用があり、生理前や更年期、妊娠中など女性ホルモンのバランスが急激に変化する時期はむくみやすくなります。
むくみを放っておくと代謝が悪くなり、太りやすくなったりしますので、早めに改善しましょう。
ゼラニウムの効能には利尿作用もあり、体内の余分な水分や老廃物を排出しやすくするためむくみの改善に効果が期待できます。さらにホルモン分泌を調節する作用もあるため、ホルモンバランスの乱れによるむくみの改善にも有効です。
マッサージオイルにゼラニウムのエッセンシャルオイルをたらし、むくみが気になる箇所をマッサージしましょう。
ニキビや湿疹などの肌トラブルを改善しよう
ゼラニウムの効能は、美肌効果も期待することができます。
ゼラニウムに含まれるゲラニオールという成分は皮膚を柔らかくし、弾力を回復する作用に優れているため、シミやシワの予防やアンチエイジング効果が期待できます。
また皮脂バランスを調節する効能もあるため、乾燥肌と脂性肌のどちらにも使うことができ、肌に潤いを与えるのに効果的です。
ホホバオイルなどのキャリアオイルでゼラニウムのエッセンシャルオイルを0.5%に希釈したオイルでマッサージしたり、保湿ケアをしてみましょう。
ただしゼラニウムのエッセンシャルオイルは強力なため、アトピーや敏感肌の人は量を控えめにし、肌に合わない場合はすぐに使用をやめるようにしましょう。
関節リウマチの症状を緩和しよう
関節リウマチは細胞と細胞をのりづけしているコラーゲンやたんぱく質などが侵される病気で、発病の原因は明確にはわかっていませんが、免疫の働きの異常が関与していると言われています。
関節リウマチは比較的女性に発症しやすい理由のひとつに、女性ホルモンの関わりがあります。
女性ホルモンは自己抗体の働きや、免疫反応を促すサイトカインなどの物質を活性化させやすいと考えられています。
そのため女性の免疫システムは男性よりも複雑でデリケートな対応をするため、関節リウマチのような自己免疫の病気を引き起こしやすいとされています。
ゼラニウムは副腎や視床下部への作用により、ホルモンの分泌が調節されるため、女性ホルモンと関わりのある関節リウマチの症状に効果があるとされています。
リウマチの症状緩和には、アロマバスがおすすめです。
お湯を張った湯船にゼラニウムのアロマオイルを数滴たらし、ゆったりと香りを楽しみながら入浴することで、リウマチ痛の緩和に効果が期待できます。
女性ホルモンによる体臭を解消しよう
汗ばむ季節が近づくと、気になってくるのが体臭です。
体臭のほとんどは皮膚の表面にいる常在菌が、汗や皮脂を分解することで発生します。
身体から放出させる汗や皮脂などの分泌物は精神状態に非常に密接していて、イライラしたりストレスを感じると皮脂や汗の分泌は高まります。
また女性ホルモンには体臭を抑える働きがあり、男性ホルモンには体臭を強くする働きがあるとされています。
ゼラニウムには自律神経を調整する働きやホルモン分泌の調節作用があるため、体臭の原因となる皮脂や汗の分泌を抑えることができます。
おすすめはゼラニウムを使ったスキンローションです。
ゼラニウムのエッセンシャルオイルと無水エタノール、精製水をスプレーボトルで混ぜ、汗の臭いが気になる時にスプレーしましょう。
すっきりとした甘い香りが気になる汗の臭いを抑え、肌のベタつきを解消してくれます。
血行を促進し、冷え性を改善しよう
一般的に冷えは不規則な生活やストレス、運動不足などが原因で血行が悪くなることで起こります。
冷え性になると免疫力の低下や自律神経が乱れたりするため、頭痛や肩こり、貧血、下痢などの症状を引き起こしますので、血流改善や利尿作用のあるゼラニウムを利用して早めに対処しましょう。
血行を促進させ、冷え性を改善するには、ゼラニウムのエッセンシャルオイルを数滴たらしたアロマバスがおすすめです。
ゼラニウムの成分が皮膚表面から毛細血管に浸透し、全身の血液循環によって運ばれます。
また冷えからくる肩こりには、ゼラニウムを使った温シップも効果的です。
洗面器にお湯をはり、ゼラニウムのエッセンシャルオイルを1滴たらします。フェイスタオルなどを洗面器のお湯につけ、硬く絞ってから肩へかけ温めましょう。冷めてしまったら電子レンジで温めて下さい。
ゼラニウムの甘い香りでリラックスしながら、体を温めましょう。
いかがでしょう、ゼラニウムはアロマテラピーを楽しむ上では、とても女性的なエッセンシャルオイルとして重宝されています。特にホルモンバランスが乱れる更年期にはゼラニウムの持つ効能が役立ちます。甘い優しい香りを嗅ぐだけでも不安や心の動揺を鎮め、心を明るく回復してくれるでしょう。
また女性ホルモンのバランスを調節する効能は、女性らしさを保ち美しさに磨きをかけるには効果的です。
ゼラニウムで心と体も美しくなりましょう。
またゼラニウムはホルモン系の働きに影響を与えるため、妊娠初期には使用しないようにしましょう。ただしアロマバスや芳香浴程度の使用には危険がありませんが、気になる人は妊娠中は避けるようにしましょう。
まとめ
ゼラニウムの効能と女性ホルモンに働く7つの作用
・生理痛や生理不順、PMSの症状を改善しよう
・更年期障害のストレスを緩和しよう
・体のむくみを改善しよう
・ニキビや湿疹などの肌トラブルを改善しよう
・関節リウマチの症状を緩和しよう
・女性ホルモンによる体臭を解消しよう
・血行を促進し、冷え性を改善しよう