夏野菜の代表である『ナス』と一口にいっても、小なす・賀茂なす・長なす・十全・青なす・赤なす・米なす・水なすなど、近年では多くの品種があります。
さまざまな技術の進歩等で、一年中食することができるようになったのは、近年のことかと安易に思っていましたが、ハウスや温室のなかった江戸時代にすでに、油紙を張った障子で囲ってナスの促成栽培をしていたそうなのです。
よって初物のナスはとても高価なもので、初夢に見ると縁起がいいといわれている3つの中に 「…三 なすび」が入っているのは 「成す」という意味だけではなく「ナスが高価なものだったから」という説もあるそうです。
江戸時代にもいろんな意味で親しまれてきたナス。意外にもたくさんのうれしい効果があるのです。
知らないともったいない、
ナスの栄養価と嬉しい7つの効果
その1 食あたりを改善
普段ナスのへたは捨ててしまっていませんか?ナスのヘタを乾かして、煎じて飲むと食あたりを改善させる効果があるといわれています。
その2 歯痛や口内炎痛みを解消
ナスのへたは、食あたりの改善だけではなく、歯痛、口内炎、舌のただれなどの症状には、ヘたを黒焼きにして患部に塗ると、炎症をおこしている部分の熱を取ってくれて、痛みを解消してくれます。また、軽い火傷には、冷蔵庫で冷やしたなすで湿布をすると炎症がおさまります。
また舌、唇のはれには、なすのへたを1週間ほど干し、カラカラになったものを患部にぬると痛みが軽減されます。
その3 イボ取り
昔から日本ではナスは民間療法として重宝され、黒焼きにしたヘタを塩と混ぜ歯槽膿漏の予防として使ったり、ナスをおろしてしぼった汁を、毎日イボに塗ると、徐々にイボが消えていくので、イボ取りとして使うなどして用いられています。
その4 大腸がんの予防
ナスの栄養成分は生体調節機能が優れていると言われ、特に豊富に含まれる食物繊維は、便秘を改善し大腸がんを予防し、血糖値の上昇を抑え、糖尿病や肥満を防ぐ効果があります。
中でも、ナスの皮にはナスニンと呼ばれるポリフェノールの一種(アントシアン系の色素)があるため、強い抗酸化力があり、ガンや生活習慣病のもとになる活性酸素を抑える力がとても強く、また、コレステロールの吸収を抑える効能を発揮する成分が含まれているので、なるべく皮ごと食べるのがよいようです。
その5 動脈硬化の予防
ナスの果皮の美しい紫色の成分であるナスニンとポリフェノールはコレステロール値を下げる効果があります。ナスニンはアントシアニンの色素の一種で強力な抗酸化力があり、コレステロールの吸収を抑える作用もあるため、動脈硬化を予防する事も分かってきています。
また、ナスニンは眼の網膜にあるロドプシンの再結合に働きかけるため、眼精疲労の改善にも効果があります。一方、ポリフェノールは、一般にナスのアクと呼ばれるクロロゲン酸等の抗酸化成分が含まれているので、体の老化を防ぐ、動脈硬化の予防、がんの発生・進行を抑制するなどの作用があります。
その6 夏バテを予防する効果
夏野菜には全般的に体を冷やす効果がありますが、ナスには特にその作用が強くみられます。
ナスに含まれている成分は、約94%が水分ですが、ビタミンB群・Cなどのビタミン、カルシウム・鉄分・カリウムなどのミネラル成分や、食物繊維などをバランス良く含んでおりますので、暑さに弱い人・のぼせ症の人にはたいへんおすすめです。
その7 血圧を下げる効果
ナスには、ビタミンCやビタミンPの含有量が多いので、血管をしなやかにし、血栓症や高血圧の予防と改善に役立ちます。
ナスに含まれる豊富なアントシアニンは、天然色素であるポリフェノールの一種で、赤ジソやブルーベリーなどに多く含まれ、抗酸化の作用とともに、血栓ができるのを防いだり、眼精疲労を改善する効果があります。
ナスにはコリンという成分が含まれており、このコリンは、血圧を下げたり、胃液の分泌を促したり、肝臓の働きをよくするなどの働きをしてくれます。また、血管を強くするので毛細血管からの出血防止の効果も期待できます。
残念ながら青なすや白なすにはアントシアニンは含まれていません。ナスには体内の水分を調節する作用のあるカリウムが多く含まれているため、利尿作用により浮腫みを解消し、高血圧を予防する効果もあります。
ナスを切ると色が変わる褐変物質はクロロゲン酸というポリフェノールの一種です。このクロロゲン酸は、活性酸素の発生を抑え、癌や老化の予防、血圧や血糖値の正常化にとても大きな力を発揮します。
いかがでしたか。
これだけの効果が見込まれるナス!購入する時は、へたの切り口が新しく、トゲが硬いほど新鮮で、表面はつや・はりのあるものを選ぶのをお勧めします。
新鮮なうちに食するのが一番ですが、一度に使いきれなかった場合のナスの保存方法は、水分が逃げないように1個ずつラップに包み、冷蔵庫の野菜室へ。冷やしすぎると実がちぢんで、味も落ちてよくないので、5度以下にならないようにしましょう。
なすは、切るとすぐに色が変わってしまうので、切ったらすぐに水にさらすと良いでしょう。夏場以外は涼しく風通しのよい場所に保存してください。
まとめ
知らないともったいない、ナスの栄養価と嬉しい7つの効果
その1 食あたりを改善
その2 歯痛や口内炎痛みを解消
その3 イボ取り
その4 大腸がんの予防
その5 動脈硬化の予防
その6 夏バテを予防する効果
その7 血圧を下げる効果